理事長あいさつ

地球と人間社会の共生へ──加速する環境変動の時代に向けて

国立環境研究所は、1974年の国立公害研究所としての創設以来50年余りの歩みの中で、社会と密接に関わる環境課題に科学的知見で応えることを一貫として使命にしてきました。近年では、気候災害の激甚化、生態系の損失、資源制約など、環境問題は大規模かつ複合的なものとなっています。また、私たちの生活に身近なところでも、新たな化学物質やプラスチック、薬剤耐性菌などの影響が指摘されています。このため、これらの課題に答える環境科学への期待も一段と高まっていると感じます。

国立環境研究所は、2026年度から新たに5か年の中長期計画を開始します。従来の取り組みを発展させつつ、重点的に取り組むべき課題として、3つの戦略的研究プログラムを設定し、統合的な環境研究を推進していきます。また、データ利活用の高度化や、社会との協働強化も重点に据えています。さらに、広報対話機能の統合やデータ基盤整備の準備組織の設置など、組織体制も見直し、研究成果の発信力と社会実装力を高める基盤を整えました。

今は、社会と経済の転換が本格的に求められる重要な時期です。当研究所では、国内外の研究機関、自治体、企業、市民の皆さまとの連携をさらに深め、実効ある環境研究を着実に進め、科学を社会に生かす取組みを広げてまいります。みなさまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

国立研究開発法人 国立環境研究所
理事長 大島 義人