自然共生社会構築に不可欠な、生物多様性の保全に資する対策および生態系サービスの持続的な利用に関する研究や技術開発に取り組みます。
生物多様性の観測・評価に関する研究拠点形成を推進し、所内外との連携を促進して、生物分布をはじめとする生物多様性に関わる情報の集積および分析を行い、生物多様性の保全や持続的利用に関する目標の策定や目標の達成度の把握に貢献します。また、地域環境保全・生物多様性両領域の共管で滋賀県に設置された琵琶湖分室を拠点とし、環境省や滋賀県などと協力して、琵琶湖およびその流域の水質や生態系の保全に努めます。
環境問題において重要な生物の全ゲノム解析や、環境・生物試料から得られるDNAの多様性解析および、その前提となるDANバーコーディングを推進します。
絶滅危惧種の遺伝資源を将来に残すため、2002年より、国内絶滅危惧種の細胞や組織を長期保存用タンクの中で凍結保存しています。また、環境微生物および絶滅危惧藻類を収集・系統保存・提供しています。
40年以上にわたり、霞ヶ浦の水質と生物の観測・調査を継続しています。水質や底質のほか、植物プランクトン、動物プランクトン、一次生産量、底生動物、魚類などのモニタリングを行い、生物群集や生態系の変化、それに関わる要因を明らかにします。また、遺伝子組換え作物モニタリングでは、セイヨウアブラナの野生化や分布拡大を防ぐための監視に関わる研究を行っています。
研究において蓄積された生物多様性情報をデータベース化し、ウェブサイト等で公開しています。
生物多様性や生態系の保全についての研究は、生物とその環境を対象とした研究分野が中心であると思われがちですが、生物多様性の価値を様々な視点から見直してみることや、生物多様性や生態系が保全されやすい社会的な仕組みを築き上げることなど、社会科学的な視点からの研究アプローチや様々なステークホルダー及び市民の方々との協働が必要です。このような観点に立ち、生物多様性領域では、以下のような活動を実施しています。
Last updated Apr. 1, 2021