自然共生研究分野は、国立環境研究所の戦略的研究分野の一つであり、生物多様性領域が中心となって推進しています。本分野は、「総合的環境研究プロジェクト」と「基礎・基盤的研究」の二つの柱で構成されています。
総合的環境研究プロジェクトでは「ヒトと自然の関係の適正化」、「人為的環境撹乱の統合的影響評価と保全戦略の構築」、「環境変動に対する生物応答メカニズムの解明」の3つのサブプロジェクトを通じて、生態系の健全性の回復とヒトと自然との共存、自然資本の持続的利用を目指します。
基礎・基盤的研究では、先端・萌芽的研究、政策対応研究、知的研究基盤の整備を推進するとともに、「環境DNA研究拠点」を新たに設置し、環境DNA解析の普及と地域研究機関をつなぐハブ機能の構築を進めます。
さらに、昆明・モントリオール生物多様性枠組の達成に資する科学的知見を創出し、ネイチャーポジティブの実現と自然共生社会の構築に貢献します。

本プロジェクトでは、生物多様性と人間活動の調和に向けた統合的環境研究を推進します。研究は3つのサブプロジェクトで構成され、人と自然の関係のあり方の検討、人為的環境攪乱が生物多様性に及ぼす影響の評価、生物の環境応答メカニズムの解明を進めます。
社会学、外来種研究、農薬影響評価、生理生態学などの多様な研究分野を横断的に結びつけることで、人間活動と生物多様性のよりよい関係を探り、生態系の健全性の回復に貢献することを目指します。
基礎的な生物・生態学的研究に加え、社会科学との連携により、生物取引や人々の行動変容、生物多様性に関する制度・政策などを対象に多角的な解析・評価を行います。生態系や生物の特性に関する基礎研究と、人間活動や社会制度に関する分析により、生物多様性保全に資する新たな知見の創出と実践的な課題解決を目指します。
2026年度より、環境DNA研究拠点を新たに開始します。本拠点では、環境DNA解析の普及と技術支援を進めるとともに、地方環境研究所と連携した観測・解析のハブ機能を担い、生物多様性の観測・評価に関する研究基盤の強化を図ります。
生物多様性の観測・評価に関する研究拠点として、所内外との連携を通じ、生物分布をはじめとする生物多様性情報の集積と分析を進めています。これにより、生物多様性の保全や持続的利用に関する目標設定や、その達成状況の把握に資する科学的基盤の整備に取り組んでいます。![]()
地域環境保全領域と生物多様性領域の共管で滋賀県に設置された琵琶湖分室を拠点に、環境省や滋賀県などと連携し、琵琶湖および流域の水質や生態系の保全に関する研究と取組を進めます。![]()
●絶滅のおそれのある野生動物種を対象とする遺伝資源保存: 絶滅危惧種の遺伝資源を将来に残すため、2002年より国内の絶滅危惧種の細胞や組織を収集し、長期保存用タンクで凍結保存しています。
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●環境微生物および絶滅危惧藻類の収集・系統保存・提供: 環境微生物や絶滅危惧藻類の収集・系統保存・研究用の分譲を行っています。
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40年以上にわたり、霞ヶ浦の水質と生物の観測・調査を継続しています。水質や底質に加え、植物プランクトン、動物プランクトン、一次生産量、底生動物、魚類などを継続的にモニタリングし、生物群集や生態系の変化とその要因の解明に取り組んでいます。 ![]()
次世代シーケンサ等の大型機器の一括管理や微量DNAを扱うためのクリーンな実験環境を提供し、環境ゲノムの解析支援を行います。タイムカプセル事業で保存された絶滅危惧種のゲノム解読、研究用データの公開も行います。![]()
研究で蓄積された生物多様性情報をデータベース化し、ウェブサイト等を通じて公開しています。さらに、国内の研究データのGBIF(全球生物多様性情報機構)への登録を進めるとともに、研究者によるデータ登録・公開の支援を行っています。![]()
生態系研究フィールド(実験圃場)、生物環境調節実験施設(バイオトロン)、環境試料タイムカプセル棟、微生物系統保存施設、環境ゲノム実験施設など、生物・生態系研究を支える観測・実験、試料保存、ゲノム解析のための大型研究施設を整備しています。![]()

生物多様性領域では、さまざまな団体と連携し、地域の自然の保全、普及・啓発活動、ネットワークづくりなどを通じて、生物多様性の保全と持続可能な利用の推進に取り組んでいます。 ![]()
研究成果の政策への反映や社会的理解の促進を目的として、積極的な研究プレスリリースを行っています。![]()
プレスリリースで反響の大きかった研究や話題のニュースなどを研究者自ら紹介する「すごいぞ!生物ニュース」、絶滅危惧種イトウやミツバチ研究などの動画を公開しています。![]()
保全の現場で生物多様性研究者は何ができるのか、をテーマに、ブログ記事を公開しています。ヒアリの水際防除や奄美大島マングース根絶の舞台裏など、現地取材を通して保全の最前線を紹介しています。 ![]()
Last updated Apr. 1, 2026