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研究の概要

遺伝情報を用いた生物多様性研究において、基盤的な遺伝情報の質・量は解析結果の解像度や信頼性に大きく影響します。本事業では、次期中長期の関連研究において基盤となる遺伝情報として、①野生生物の全ゲノム情報の取得、②生物の種類判別に適したDNA領域の塩基配列(DNAバーコード)情報の収集を主に行います。これらの遺伝情報は、研究プログラムや他の事業、基礎・基盤的研究において、野生生物の保護増殖や駆除、有害生物分布等の研究に即利用できる有用なデータとなります。また、土壌や水などの環境試料から得られるDNA(環境DNA)を用いた生物多様性評価技術を律速するリファレンスデータの蓄積に貢献することで、環境影響評価やモニタリング等における生物多様性調査の精度を向上させます。その他、環境DNA解析や、ゲノムワイドに存在する種内・種間変異情報の取得等において研究計画や実験・解析技術の補助を行うことで所内のゲノム研究のハブ的機能を果たし、所内の萌芽的研究からモニタリング事業までを支援します。

研究の目的と達成目標

次期中長期の関連研究ならびに国内外の関連研究においても基盤となる遺伝情報を提供し、発展的な諸解析の推進への貢献を目的とします。

ドラフトゲノム情報・DNAバーコードの取得・公開

野生鳥獣の保護増殖事業の対象種について、保護増殖事業の効率化や個体数減少の原因究明に関連した解析を実施するための基盤的なデータとして、遺伝子の位置や機能などを示すアノテーション情報を付加した全ゲノム情報を提供します。アオコなどの微細藻類について、国内の遺伝的多様性を理解するために継続的なドラフトゲノム情報の取得を行います。学術的に新規性のある分布情報や有毒性や有用性といった機能情報が得られると期待されます。環境DNAによる生物多様性調査の精度を向上させるため、日本に生息する生物のDNAバーコード情報を収集し、充実させます。<保護増殖事業対象種のアノテーション情報の追加は5年間で12種以上、微細藻類のドラフトゲノム情報取得は5年間で25種以上を目標とします。DNAバーコード情報は5年間で500種以上を目指します。

保護増殖事業対象種のアノテーション情報の追加は5年間で12種以上、微細藻類のドラフトゲノム情報取得は5年間で25種以上を目標とします。DNAバーコード情報は5年間で500種以上を目指します。

所内ゲノム関連研究の支援

所内のゲノム関連研究について、ゲノムワイドに存在する一塩基多型等の変異情報の取得や環境DNA解析の支援を行い、野生生物個体群の遺伝構造や分布情報を活用した解析に貢献します。

環境ゲノム研究推進のフロー

研究メンバー

中嶋 信美今藤 夏子安藤 温子片山 雅史石井 由美子(福島地域協働研究拠点兼務)


問い合わせ先

環境ゲノム研究推進室 中嶋 信美
 TEL:029-850-2490
 Mail:naka-320(末尾に"@nies.go.jp"をつけて下さい。)


関連リンク

ゲノムデータベース

環境試料タイムカプセル棟

Last updated Apr. 1, 2021