
昆明-モントリオール生物多様性枠組の目標達成への貢献のため、国内およびアジア・太平洋地域を対象にした生物多様性の観測・解析に関する革新的な研究開発、および広域・長期評価を実施します。自動観測や統計モデリングを活用した先進的な評価手法・指標開発や標準化、遺伝的多様性の広域評価手法の開発を行います。また、国内における生物多様性の状態の定量評価が継続的に実施される体制を確立し、評価結果がリアルタイムで可視化されるようにします。
中長期期間を越えた研究の継続性を確保するため、国立環境研究所(以下、NIES)の生物多様性研究拠点化を進めます。生物多様性連携研究グループを立ち上げ、NIESを拠点とした、国内およびアジア・太平洋地域の生物多様性観測に携わる機関やグループ間のネットワークを構築し、迅速な政策対応のための体制構築を行います。
ネイチャーポジティブの達成に向けて、昆明・モントリオール生物多様性枠組では、野生種個体群の減少を食い止め、健全な水準まで回復させることが求められています。その進捗を定量的に評価するためには、生態系を構成する多様な種について、その分布域や個体数の変化を継続的に把握することが不可欠です。生物多様性連携研究拠点では、国内に豊富に蓄積された種のモニタリングデータを統合して、野生種個体群の状態と傾向を示す信頼性の高い指標セットの開発に取り組みます。特に、トレンド評価の高度化につながる最新の統計科学の知見を活用することで、高いパフォーマンスをもつ次世代型の指標開発に取り組みます。
また、これらのトレンド指標が有用であり続けるためには、最新データに基づく定期的な更新が不可欠です。そこで、生物多様性連携研究拠点では、最新の観測データを反映した指標値を迅速かつ継続的に提供するための枠組みの構築にも取り組みます。モニタリングプログラムなどを通じて収集された種の観測データをタイムリーに指標へ反映できるよう、国立環境研究所とデータ提供者の間で指標作成のためのデータ共有体制を整備するとともに、収集されたデータからの指標生成を自動化するプログラム群の開発を行います。野生種個体群に関する膨大なデータを指標として整理・提示することで、国内の生物多様性モニタリングの成果の政策活用を強化します。
アジア太平洋生物多様性観測ネットワーク(APBON)の2024-2025年の活動をまとめた年次報告書(APBON Highlights 2025)及び第16回APBONワークショップの報告書(The summary of 16th APBON workshop)を公開しました。ぜひご覧ください。
【APBON Highlights FY2025】
https://doi.org/10.34462/0002000298
2024-2025年のAPBON活動:各国の生物多様性観測、政策支援、生物多様性データの共有、保全活動に関する取り組みと成果について紹介しています。主な活動としては、3回のウェビナーやフィリピンにあるASEAN生物多様性センターで開催された第16回APBONワークショップ、第16回AOGEOシンポジウムでのタスクグループ会合、IPBESモニタリングアセスメントへの貢献が挙げられます。また、論文や報告書もリストで紹介しています
【The summary of 16th APBON workshop】
https://doi.org/10.34462/0002000297
第16回APBONワークショップが2025年1月29-30日にフィリピンにあるASEAN生物多様性センターで開催され、5カ国・地域から49名が参加しました。アジア太平洋地域における生物多様性観測の強化、データギャップの解消、データ活用の方向性、必須多様性変数(EBVs)整備と課題、地域横断的モニタリングネットワーク(AP-GBiOS)構築と国際連携などについて議論しました。
【APBON Highlights FY2023】
https://nies.repo.nii.ac.jp/records/2000130
2023年度のAPBON活動:各国の生物多様性観測、政策支援、生物多様性データの共有、保全活動に関する取り組みと成果について紹介しています。主な活動としては、4回のウェビナーと1回の対面ワークショップの開催、GEO BONとの協働(会合への参加やGBiOS論文の公表)が挙げられます。また、論文や報告書もリストで紹介しています。
【The summary of 15th APBON workshop】
https://nies.repo.nii.ac.jp/records/2000131
第15回APBONワークショップが2024年2月21-22日に東京とオンラインで開催され、10カ国・地域から34名が参加しました。アジア太平洋地域の生物多様性観測の取り組み、データギャップ、必須生物多様性変数(EBVs)の適用、生物多様性国家戦略や昆明モントリオール生物多様性枠組みを支援するための活動についての議論を行いました。
村岡 裕由*(東京大学 教授)、角谷 拓、石濱 史子、深澤 圭太、竹内 やよい(大阪公立大学 教授, NIES客員研究員)、今藤 夏子、松崎 慎一郎、大沼 学、深谷 肇一、野田 響、岡本 遼太郎、山野 博哉(東京大学 教授, NIES客員研究員)、吉岡 明良(福島地域協働研究拠点所属)、西廣 淳(気候変動適応センター所属)、熊谷 直喜(気候変動適応センター所属)、小出 大(気候変動適応センター所属) 、池上 真木彦(国立環境研究所 琵琶湖分室所属/生物多様性領域)
*グループ長
Last updated Apl. 1, 2026