今年も国立環境研究所では「春の環境講座」が4月22日(土)に開催されました。毎年、科学技術週間に合わせて実施されるこの催しでは、研究所の成果に関する様々な展示や、環境問題について楽しく学ぶことができる体験企画が多数実施されます。今年は全体で576名の来場者を迎えました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
今回、社会環境システム研究センターでは2つの企画を実施しました。それぞれについて、簡単にご報告します。
今年も国立環境研究所では「春の環境講座」が4月22日(土)に開催されました。毎年、科学技術週間に合わせて実施されるこの催しでは、研究所の成果に関する様々な展示や、環境問題について楽しく学ぶことができる体験企画が多数実施されます。今年は全体で576名の来場者を迎えました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
今回、社会環境システム研究センターでは2つの企画を実施しました。それぞれについて、簡単にご報告します。
温暖化が進行しないようにするためには、温室効果ガスをなるべく排出しない「低炭素社会」にしていく必要があります。低炭素社会実現のためには一体どのような対策をどの程度とればよいのでしょうか。また、今皆さんが考えている温暖化対策では、将来どれくらい排出量を削減できるのでしょうか。
今回は「2050低炭素ナビ」というツールを使って、こうした疑問について考えていただきました。このツールでは、10問の質問に答えていくことで、回答者の考える社会のあり方や温暖化対策によって、2050年までにどれくらい排出量を削減できるかを知ることができます。
同時に、「つくば版低炭素ナビ」も体験していただきました。こちらでは選択された回答によって、研究所が位置しているつくば市が2050年までにどれくらい排出量を減らせるかをおおまかに知ることができます。
小学生から大人まで、幅広い年代の方に体験していただきました。そんな中でも、学校の課題のために、熱心に解説を聞きながら取り組んでくれた中学生が多くいました。次世代を担う皆さんにも、低炭素社会の実現に少しでも興味をもってもらえたでしょうか。
低炭素社会、その実現に向けた取り組みなどについて、来場者と研究者がざっくばらんに話し合える場として、「環境サイエンスカフェ」を実施しました。この企画は、所内の社会対話・協同推進オフィスと共催しました。
今回は午前に1回、午後に1回と、計2回実施しました。それぞれ、講師による話題提供と、その後に参加者も交えて全体で話し合いました。
高倉潤也さん(特別研究員/広域影響・対策モデル研究室)と、亀山康子さん(副センター長)がそれぞれ午前、午後の講師を務めました。
高倉さんの話題提供では、温暖化対策は「負担」しなければならないものではなく、対策をとることによって、温暖化対策以外にも社会にとって良い効果がもたらされるような「投資」ともなることを紹介していました。
亀山さんの話題提供では、コンパクトシティの考え方を例として、長期的な視点で問題を考え、取り組んでいく必要性を示していました。 話題提供後のディスカッションでは、各回とも参加者から大変活発なご発言があり、盛り上がりました。将来への期待を話される方がいたり、社会のあり方やそれを形作る意思決定のあり方などについて考えを示される方がいたりと、多様なご意見を聞くことができました。何より、どちらの回においても参加者の皆さんが高い問題意識を持っていることが感じられました。
今年もたくさんの方にご来場いただきました。来年もおもしろい企画が実施できるよう、準備していきたいと思います!7月22日(土)には「国立環境研究所 夏の大公開2017」がありますので、そちらにも是非お越しください。
文・写真:杦本友里(社会環境システム研究センター)
*写真4の撮影は岩崎茜(社会対話・協働推進オフィス)