社会との連携

社会システム領域では「社会を変えてこその研究」と考え、社会に研究成果を生かしてもらうためのさまざまな活動に積極的に取り組んでいます。

社会課題解決のために

脱炭素社会を実現するための持続可能なシナリオづくりや、人口減少や高齢化が顕著な地方都市における廃棄物や交通などの技術システムの検討など、現代社会が直面する課題を解決し、持続可能な社会システムの社会実装に貢献するための研究に取り組んでいます。社会システム領域で取り組んでいる「戦略的研究プログラム」である「脱炭素・持続社会研究プログラム」と「持続可能地域共創研究プログラム」の詳細については、以下リンク先をご覧ください。

                      


社会と向き合うために

脱炭素「社会」は誰かではなく、社会を構成するすべての個人や団体がそれぞれの役割を考え、行動してこそ実現できるという考えから、市民向けのイベント開催や講演に力を入れています。コロナ禍でも、オンラインイベントや動画の配信を行いました。

2021 年 3 月にオンライン開催したシンポジウム「日本の2050年脱炭素社会」の様子。会場は設置せず、講演者はそれぞれオンラインで参加した

また、誰にでも低炭素社会シナリオを検討してもらえるようにと、地球環境戦略研究機関(IGES)とともに、「日本低炭素ナビ」を開発しました。ナビでは、様々な対策をどこまで実施するかを入力することで、2050年までの日本のエネルギー需給構造の変化や温室効果ガス(GHG)排出量の推移を自動的に計算し、画面上に表示することができます。

持続可能な発展に関する価値観とライフスタイルとの関連性を明らかにしたり、環境問題への関心や意識に関する「世論」調査を1990年代から継続して行ったりするなど、社会や市民がどのように環境問題とかかわっているのかを分析している研究者もいます。

若手研究者の育成

アジアの若手研究者育成のために毎年トレーニングワークショップを実施しているほか、東京大学や東京工業大学、名古屋大学の大学院等でゼミを指導するなど、国内の研究者育成にも力を入れています。

2017年1月30日~2月1日にタイのタマサート大学で開催された AIM トレーニング ワークショップの様子

省庁や自治体との連携

日本の2050年脱炭素社会をどう実現したらよいのか、モデル等を用いて定量的な結果を示し、環境省や経済産業省などへの具体的な政策提言を行っています。

自治体と連携した社会実装のための研究にも力を入れています。北九州市や川崎市では、工業団地の低炭素化のため、ごみ焼却廃熱エネルギー活用導入のための調査分析を自治体と連携しながら行っています。インドネシアのボゴール市では電力消費のモニタリングを実施して実効性の高い環境エネルギーモニタリングシステムを構築するなど、国外の自治体との連携にも取り組んでいます。