今年のノーベル経済学賞は、世界の貧困の緩和に貢献した経済学者たちに贈られました。
実はその受賞対象となった貧困緩和のための研究手法は、環境政策にも関係しています。
どのように関連しているのか、どのような取り組みがあるのか、事例も交えながら解説して頂きました。
今年のノーベル経済学賞は、世界の貧困の緩和に貢献した経済学者たちに贈られました。
実はその受賞対象となった貧困緩和のための研究手法は、環境政策にも関係しています。
どのように関連しているのか、どのような取り組みがあるのか、事例も交えながら解説して頂きました。
しかし、それら緩和策は、時として机上の空論になってしまう場合もありました。また、貧困緩和の議論がイデオロギーのぶつけ合いになってしまうこともあります。これに対して、現場での調査と実験的アプローチを組み合わせた「実証」を行い、その方法論を確立してきたのが受賞者たちです。
「ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial)」と訳される実験デザインがあります。(注2)頭文字をとってRCTと呼ばれます。
被験者を無作為(Random)に2群(以上)に分けて、片方の群には治療・投薬を行わず(対照群:Control group)、他の群にのみ治療・投薬を行います(処置群:Treatment group)。そして、事後の健康状態を観察し、2群を比較することでその効果を確かめるのです。無作為に半数あるいは一部の家庭だけに政策を試行(Trial)する。この無作為な試行により、人が健康になるその他の理由(生活習慣や自然治癒の力)を2群で揃えられることとなり、結果として治療法・新薬の効果の厳密な検証が可能となるのです。