論文情報
移動手段を例とした個人的な行動選択と社会的な政策転換の関係
著者:松橋啓介, 陳鶴, 有賀敏典, 金森有子
発表年:2018
掲載雑誌:土木学会論文集G, 74(6), Ⅱ_103-Ⅱ_110
概要
持続可能な社会を実現するためには、個人の行動転換と社会の政策転換をあわせて実現することが課題です。そこで、個人的な移動手段の選択と社会的な交通政策の選択およびその理由について図-1の枠組みで調査を行い、道徳観や個人属性との関係を分析することを目的としました。その結果、現在、図-2,3に示す通り、40%超が主に自動車を利用していて,引越先の手段選択や利便性を向上したい手段としては,自動車よりもバスや鉄道等の公共交通手段の選択が多く,40%を超えることが分かりました.また、図-4に示す通り、市長になったとして進める政策としては,公共交通が過半となる50%を超え、みんなに使いやすいからとする理由が多くを占めるなど、政策転換が起こる可能性が示されました。表-1に示す通り、こうした公共交通を便利にする政策の選択は、環境にやさしいことや使うかもしれないことに加え、法律や決まりに反しないことや自分の良心に従うことなどの道徳観(図-5)が間接的に関係しうることについても示唆されました。