4つの中間目標:気候変動政策パッケージ評価のための方法論

亀山康子, 川元亮徳(有限責任監査法人トーマツ)
2016.12.14

論文情報

 4つの中間目標:気候変動政策パッケージ評価のための方法論

著者:亀山康子・川元亮徳(有限責監査法人トーマツ)
発表年:2016
雑誌名:Climate Policy

論文へのリンク(英文のみ)

概要

本研究は、2020年以降の排出削減目標に向けて実施する緩和政策パッケージを評価するための新たな方法論として、①エネルギーの低炭素化、②省エネ、③エネルギー需要逓減、④森林吸収源およびCO2以外のガス対策、という4つの中間目標の有用性を検証することを目的としている。このため、中国、ドイツ、イギリス、日本、米国の5カ国のデータを用い、一方では1990年から2015年までにこれらの国で実施された政策を上記の4中間目標に分類し、政策の数の傾向を分析した(Figure 1)。また他方では、4中間目標を計測するための6つの指標を選定し(Table 1), これらの指標を5カ国で示した(Figure 2)。政策分類結果と指標の結果と比べることで、実施された政策の数が少なくとも部分的には4中間目標を目指すための「努力量」として評価できること、また、政策の数自体が少なくても効果が出ている場合には効果的な政策を特定しやすくなること、を示した。この方法論は、国の人口やGDP等基礎的なデータがあれば示せるため、今後、パリ協定の下で国のレビューを効果的に実施するためにも、これらの基礎データの提出を求めるような国際ルールの確立が有益である。

Figure1: Share of climate mitigation policies in the four areas
Figure1: Share of climate mitigation policies in the four areas
Table1: Indicators and the corresponding equity considerations
Table1: Indicators and the corresponding equity considerations
Figure2: Indicator results