
期待した以上ですね。COP21のときから、早く発効させることが重要であることはどの国も分かっていました。大きな理由はアメリカの大統領選です。アメリカの大統領選でもしトランプ氏が勝った場合、アメリカは入らなくなってしまいます。トランプ氏は、温暖化はうそで、パリ協定は絶対に参加しないと公言していますからね。ただ、パリ協定の中にはちゃんと規定があって、1回発効さえすれば、その発効した状態ですでに批准した国は、そのあと抜けたくなっても3年間は抜けられないとする一文が入っています。それもアメリカのために入ってるんですけどね。とにかく今年中に発効さえすれば、来年以降、アメリカの大統領が誰になろうとも、少なくとも3年間は抜けられません。それがあって急いでいました。
だけど、年内の発効に見通しが付くとは、それほど楽観的には思われていませんでした。ヨーロッパも、ヨーロッパとして40%を2030年までに減らしますとは言っていたけども、EUの中の28の加盟国それぞれが何%負担するかっていう内部の合意ができていませんでした。本来であれば内部の合意ができたあとで批准しようと思っていたのですが、やはり年内に実現しなければいけないと慌ててやることになりました。ヨーロッパが慌てることになった理由は、9月の初めにアメリカと中国が批准してしまったからです。発効したときにヨーロッパが入ってないのはまずいと思って慌てだして、そうするとあっという間に雪崩式に(各国が批准したことで)発効要件を満たす状態になり、結果としてCOP22に間に合うことになってしまいました。
そうなんですよね。国会でほかに審議しなきゃいけない議題が多そうで、COP22には間に合いませんでした。
2030年目標(2013年比で26%減)だけしかないと、そこまでにやることしか頭に思い浮かびませんよね。そうなると予算もそこに至るぎりぎりまでしか付かないし、本当はそのあとまでつながる対策を取らないといけないので、長期的なビジョンはすごく大切ですよね。