パリ協定では、長期的には2℃より十分低い気温上昇幅を目指し、さらに1.5℃に向けて努力することとなっています。しかし、<>bパリ協定が採択された2015年時点で各国から提出された2030年目標を合計しても、2℃達成には不十分であることが報告されています。また、昨年には気候変動に関する政府間パネル(IPCC)から1.5℃特別報告書が公表され、気候変動影響を最低限に抑えるためには1.5℃を目指すべきであることが示されました。結果、今年に入り、2030年目標をより厳しいものに改定すべきだという声が高まっています。
COP21決定では、2020年までに、2030年目標を見直すことが求められているため、COP25では、来年に向けてできるだけ多くの国が2030年目標を見直すよう呼びかける文案が議論されました。ここでも小島嶼国などは、すべての国に対して目標の見直しを強く求める表現を希望しましたが、今から2030年目標を国内で協議する予定がない国も多く、「チリ・マドリード行動の時」と題された最終合意文書では、shall(しなければならない)といった強い表現は用いられず、COP21決定に言及し、目標見直しを推奨するに留まる表現となりました。