地球温暖化と大気汚染の同時解決に向けた短寿命気候汚染物質の対策

執筆:花岡達也(社会環境システム研究センター 主任研究員)
2021.1.13
  「温室効果ガス」や「大気汚染物質」はメディアを通じてよく耳にする言葉だと思います。では、「短寿命気候汚染物質(SLCP:Short-Lived Climate Pollutants)」はどうでしょうか?

 短寿命気候汚染物質(SLCP)とは、大気中の滞在時間(寿命)が短く、地球温暖化と大気汚染の双方に影響を与える物質です。地球温暖化問題と大気汚染問題の同時解決に向けて、近年、短寿命気候汚染物質(SLCP)の削減対策が注目されています。

 「どういう物質が短寿命気候汚染物質と呼ばれているのか」、「なぜ注目する必要があるのか」、「どのような対策が効果的か」などについて、『隔月刊地球温暖化』(日報ビジネス株式会社発行)で連載する機会を頂きました。ぜひご覧ください。

図 大気汚染物質と地球温暖化の関係
注)ハイドロフルオロカーボン(HFC)も短寿命気候汚染物質であるが大気汚染物質ではないため、この図では示されていない

隔月刊誌『地球温暖化』連載記事:短寿命気候汚染物質と地球温暖化

補足:連載開始当時は「短寿命気候汚染物質(SLCP)」という用語を使っていましたが、最近の研究では、地球を暖める効果と冷却する効果の両方に注目した議論をするために、「短寿命気候強制因子(SLCF:Short-Lived Climate Forcers)」という用語が使われるようになってきています。