施設立地による時間帯別人口変動の影響分析

有賀 敏典
2022.9.9

論文情報

施設立地による時間帯別人口変動の影響分析

著者: 有賀 敏典
発行年: 2022年
掲載誌: 第42回交通工学研究発表会論文集 pp.233-236

キーワード

流動人口データ,経済センサス-基礎調査,重回帰分析,東京23区

要旨

 近年,携帯電話位置情報から得られる時間帯別人口が交通計画に利用ができるか関心が集まっている.しかし,施設立地が時間帯別人口にどのような影響を与えているのか分析した例が少ない.影響を分析できれば,施設立地が変わった時の時間帯別人口を推測する際に有用である.そこで本研究では,東京23 区を対象にして,Agoop 社の流動人口データから得られる2015 年10 月平日2 時間ごと3 次メッシュ人口を被説明変数,経済センサス-基礎調査から得られる2014 年3 次メッシュ業種別事業所数および国勢調査2015 年3 次メッシュ人口を説明変数とする重回帰分析を行った.さらに,東京23 区の重回帰分析で得られた偏回帰係数(パラメータ)を大阪市に適用し,異なる施設立地の都市構造の場合に,時間帯別人口分布が妥当な形で推計されたかどうかを検証した.

東京23区のデータで作ったモデルを大阪市に適用した場合の推計値と実績値
この図は平日の2時,8時,14時,20時それぞれの時刻で,推計値と実績値の関係を示したものです.R2(決定係数)は,0.5828~0.7079と高い値を示しており,推計が妥当に行われたことを示しています.