Backward- and Forward-looking Shadow Prices in Inclusive Wealth Accounting: An Example of Renewable Energy Capital

Yamaguchi R., Managi S.
2019.1.18

論文情報

 Backward- and Forward-looking Shadow Prices in Inclusive Wealth Accounting: An Example of Renewable Energy Capital

著者:Yamaguchi R., Managi S.
発表年:2019
掲載雑誌:Ecological Economics, 156, 337-349

論文へのリンク(英文のみ)

キーワード

包括的富(IW)、持続可能な発展、再生可能エネルギー、シャドー価格

概要

持続可能な発展を資本ベースで判断する指標として、人工・人的・自然資本を重みづけして集計した包括的富がある。ここで肝要なのが、各資本の重みづけとなるシャドー価格である。理論的には、資本が生み出す将来的な便益から前向き価格として計算されるはずであるが、実践上は、前向き価格だけでなく、過去の投資額に基づいた後向き価格も使われている。そこで本稿ではまず、前向き・後向きシャドー価格が、かなり強い条件の下でのみ等しくなることを理論的に示す。次に、人工資本(火力発電所等)と自然資本フロー(石油等)を代替する再生可能エネルギー資本(太陽光・風力発電所)を対象に、二つのアプローチによりシャドー価格を算出する。推計の結果、本稿の仮定の下では前向き価格価格が推計値が高くなること、一部の国では再生可能エネルギー資本の価値が既存の自然資本の価値を上回っていることなどが明らかになった。

1人当たり再生可能エネルギー資本(太陽光+風力)の価値 (2014年、USD、前向きシャドー価格による試算)
1人当たり再生可能エネルギー資本(太陽光+風力)の価値
(2014年、USD、前向きシャドー価格による試算)