琵琶湖水系における生物分布の可視化に向けた調査研究(令和 8年度)
Research toward the spatial visualization of biological distributions in the Lake Biwa watershed

研究課題コード
2628MA001
開始/終了年度
2026~2028年
キーワード(日本語)
琵琶湖水系,生物分布,可視化
キーワード(英語)
Lake Biwa watershed,Biological distribution,Visualization

課題代表者

馬渕 浩司

  • 生物多様性領域
    琵琶湖分室(生物)
  • 室長(研究)
  • 博士(農学)
  • 生物学,水産学

担当者

研究概要

古代湖・琵琶湖を擁する滋賀県は、固有種を含む多様な生物種が生息する生物多様性の宝庫である。しかし、二次的自然の荒廃や水辺の土地改変による生息環境の悪化、侵略的外来種の侵入などにより、その生物多様性は大きな危機に瀕している。近年では、地球温暖化による水温上昇などの影響も加わり、低温を好む生物種の好適な生息地の縮小や喪失、高温を好む生物種や外来種の分布拡大も懸念され、将来予測を含めた対策が必要となっている。しかし、対策の基礎となる、生物種の分布と生息環境の現状については情報が不十分であり、理解・利用しやすいように整理されてもいない。
そこで本業務では、生息地の保全や生息適地の将来予測に役立てるべく、現在の生物種の分布と水温・地形・植生などの環境条件の調査を行い、分布と環境条件の関係を解析して潜在的な生息適地の推定を行う。得られたデータや生息適地の知見は、地図などの形で可視化することを目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

(1)生物分布の調査
主な調査対象は魚類を中心とした水生生物とし、分布データを得る際には生活史や季節移動も考慮する。分布データの取得は、環境DNA調査と標本採集により行い、広範囲を移動する生物種についてはバイオロギングの手法も援用する。生息地の将来予測に資するため、過去を含む既存の分布・生息記録も文献調査などで把握する。
(2)生息環境の調査
水温など河川・湖沼水の環境の調査はデータロガーを用いて行い、地形・植生の調査はドローン撮影や衛星画像などの遠隔観測により行う。これらの調査でカバーできる場所は限られるため、既存の公開データや文献について、利用できるデータの探索・検討も合わせて行う。
(3)潜在的な生息適地の推定
生物の分布データと生息環境のデータから、生物種ごとの潜在的な生息適地をモデル解析により推定する。生息適地の検討・吟味に資するため、生理的な環境耐性の知見を可能な範囲で収集する。
(4)生物分布の可視化
以上で得られた知見を地図などにまとめて可視化し、地域生態系の保全や種分布の将来予測などに供する。
初年度に(1)と(2)を開始し、次年度に(3)を開始、最終年度に(4)を行う。

今年度の研究概要

生物分布と生息環境について野外調査や既存データの探索によってデータを取得する
・環境DNAと標本採集による種分布の調査を行う
・広範囲を移動する生物種のバイオロギング調査を行う
・過去の種分布・生息記録を文献調査などで収集する
・データロガーや遠隔観測により生息環境の調査を行う
・生息環境について、利用できる既存の公開データなどの探索・検討を行う

外部との連携

滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、滋賀県水産試験場、東京大学大気海洋研究所、福知山公立大学

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