島嶼国における沿岸域の環境・生態系のイベント検出と早期警戒システムの構築(令和 8年度)Detection of environmental and ecological events in coastal areas of island nations and the development of early warning systems
- 研究課題コード
- 2629CD003
- 開始/終了年度
- 2026~2029年
- キーワード(日本語)
- 気候変動,沿岸生態系,早期警戒システム
- キーワード(英語)
- climate change,coastal ecosystem,early warning system
課題代表者
阿部 博哉
- 気候変動適応センター
アジア太平洋気候変動適応研究室 - 主任研究員
- 環境科学博士
- 水産学,生物学
研究概要
気候変動に伴う環境変化は沿岸域の生物・生態系に大きな影響を及ぼし、人間生活への影響の波及が懸念される。そのため、影響を軽減するような対策(適応策)を講じることが不可欠である。しかしながら、沿岸域を含む海洋ではモニタリング体制が十分ではなく、変化を把握しづらいとともに、影響が生じる機構や脆弱な地域を特定することが困難である。適切な対策を推進する上では、環境・生態系の長期的かつ短期的な変化のリスクを正確に把握するとともに、地域規模の特性を考慮した将来予測に基づいて行動することが鍵となる。本研究では、日本国内および太平洋島嶼国における沿岸域の環境・生態系を対象に?過去に発生したイベント・変化を整理する、?現在生じているイベント・変化をリアルタイムに検出するシステムを構築する、?近未来・長期予測シミュレーションに基づく早期警戒システムを構築することを目的とする。これらにより、環境変動の影響を効果的に把握し、対応を講じやすくなることが期待される。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
本研究では国内地域と太平洋島嶼国を対象とするが、はじめにデータの入手やアクセス性が容易な国内地域において研究を展開し、その後太平洋島嶼国での研究に繋げていく(図2)。研究期間の前半ではデータ収集や現地調査を主体とし、後半では将来予測シミュレーションやシステム構築に重きを置く。
国内を対象とした研究では、衛星観測データや再解析データを用いて過去からの環境変化を定量化するとともに、大きな環境変化が生じた場所を特定する。同時に、新聞記事やSNSのテキスト、学術論文等を収集・解析することで全国の沿岸域において過去に発生した(問題となった)環境変化や生態系・漁業資源に生じたイベントを整理する。その上で、データの取得と解析を自動的に処理するシステムを構築する。その後、北海道から沖縄にかけて複数の実証地域を選定し、現場観測や聞き取り調査などを通じて実際の環境変化・イベントの発生状況やそれらのメカニズムを解明する。観測された現象を再現できるような数値モデル(流動モデル、生態系モデル)を開発し、将来予測シミュレーションを実施する。最後に、半自動的に将来予測や影響評価ができるような早期警戒システムをPC上で構築する。
太平洋島嶼国を対象とした研究では、データが比較的充実していると想定される1〜2か国をはじめに選定し、その上で国内と同じ研究枠組みを適用する。
今年度の研究概要
衛星観測データや再解析データを用いて過去からの環境変化を定量化するとともに、大きな環境変化が生じた場所を特定する。同時に、新聞記事やSNSのテキスト、学術論文等を収集・解析することで全国の沿岸域において過去に発生した(問題となった)環境変化や生態系・漁業資源に生じたイベントを整理する。