自然を活用した解決策(NbS)の実装と展開に向けた研究プログラム(令和 8年度)Research program on Nature-based Solutions (NbS)
- 研究課題コード
- 2630SP020
- 開始/終了年度
- 2026~2030年
- キーワード(日本語)
- 自然を活用した解決策,生物多様性,生態系機能,グリーンインフラ
- キーワード(英語)
- Nature-based Solutions,biodiversity,ecosystem functions,Green infrastructure
課題代表者
西廣 淳
- 気候変動適応センター
- 副センター長
- 博士(理学)
- 理学 ,生物学
担当者
- 堀田 亘気候変動適応センター
- 小山 明日香気候変動適応センター
- 花崎 直太気候変動適応センター
- 高根 雄也気候変動適応センター
- 岡 和孝気候変動適応センター
- 阿部 博哉気候変動適応センター
- 高津 文人地域環境保全領域
- 土屋 健司地域環境保全領域
- 金谷 弦地域環境保全領域
- 越川 海地域環境保全領域
- 牧 秀明地域環境保全領域
- 小野寺 崇地域環境保全領域
- 東 博紀地域環境保全領域
- 中田 聡史地域環境保全領域
- 松村 義正地域環境保全領域
- 大西 悟福島地域協働研究拠点
- 境 優福島地域協働研究拠点
- 林 誠二福島地域協働研究拠点
- 辻 岳史福島地域協働研究拠点
- 五味 馨福島地域協働研究拠点
- 吉岡 明良福島地域協働研究拠点
- 戸川 卓哉福島地域協働研究拠点
- 野田 響生物多様性領域
- 岡本 遼太郎生物多様性領域
- 角谷 拓生物多様性領域
- 久保 雄広生物多様性領域
- 今藤 夏子生物多様性領域
- 尾形 有香資源循環領域
- 多島 良資源循環領域
- 河井 紘輔資源循環領域
- 牧 誠也社会システム領域
- 土屋 一彬社会システム領域
- 関山 牧子環境リスク・健康領域
- JIANG Hongwei環境リスク・健康領域
- 横溝 裕行環境リスク・健康領域
- 志賀 優貴福島地域協働研究拠点
- 鈴木 薫
- 大和田 興福島地域協働研究拠点
- 井手 淨気候変動適応センター
- OKIRIA Emmanuel気候変動適応センター
- ZIN Wai Htay環境リスク・健康領域
- 柚原 剛地域環境保全領域
- NGUYEN Thi Ngoc資源循環領域
- 平野 佑奈気候変動適応センター
- 田和 康太気候変動適応センター
- 高橋 栞気候変動適応センター
- 松島 野枝
- 冨高 まほろ気候変動適応センター
研究概要
気候変動、災害の頻発化、自然資本の損失などの複数のリスクが深刻化する中、NbS(Nature-based Solutions;自然を活用した解決策)への関心が高まっており、気候変動枠組条約や生物多様性条約などの国際条約において重視されている。日本でも、生物多様性国家戦略2023-2030において「自然を活用した解決策(NbS)」が基本戦略の一つに位置付けられた。
本研究ではNbSの有効性を科学的に検証し、社会制度や技術を統合して地域社会に実装するための研究拠点を形成し、持続的でレジリエントな社会基盤の構築に貢献する研究と社会実装を推進する。
具体的には、「NbS技術の開発」「NbSに関する社会制度設計と評価手法」「NbSの社会実装と拠点形成」の3つの課題に取り組む。
「NbS技術の開発」については、陸域、陸水域、沿岸域を対象に、文献レビューとステークホルダーからの聞き取り等をもとにNbSよって解決すべき社会課題を整理し、核となる技術の要件を明確化するとともに技術開発のフレームワークを構築する。また、NbS導入の効果を評価するためのベースとなる生態系モニタリングに着手する。
「NbSに関する社会制度設計と評価手法」については、NbSに関する国内外の既存事例を分析し、背景となる制度やその運用手法を整理する。また、NbSの技術と制度を地域に導入するシナリオ策定にむけて、地域計画及び土地利用に関するデータベースを構築する。さらに、企業による水資源・水環境の保全や回復の取り組みの効果を評価するモデルの要件を明確化し、開発に着手する。
「NbSの社会実装と拠点形成」については、モデル流域・自治体を設定し、自治体や企業との連携のもと、産学官民連携によるNbS推進の地域組織を構築する。また沿岸管理・災害復興におけるNbS実装に向け、地域復興と環境保全・防災に資するNbSを検討するための陸-海統合水・物質循環・生態系モデルを構築する。さらに、広域での展開に向け、NbSの新たな評価軸を明らかにする。
これらを通じて、NbSに関する研究拠点形成の基盤として、研究体制・モデル地域・主要研究課題を設定し、生態系機能の定量化や制度分析の枠組みを構築する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
1年目:NbS技術開発への着手。NbSの社会的・制度的な阻害要因の仮説導出。モデル地域でのNbS実装戦略の検討。
2年目:陸域、湿地、沿岸生態系管理によるNbS技術開発の進行。レジリエンス評価の方法論のプロトタイプ構築。2か所以上のモデル地域でのNbS実装の試行。
3年目;陸域、湿地管理、沿岸生態系管理によるNbS技術の試行と改善。環境関連インフラの機能補完・補強するNbSオプションの明確化。農地生態系・沿岸生態系を含む2か所以上のモデル地域でのNbS実装。
4年目:自然の機能を活かした土地利用計画案の実現可能性検討。湿地管理、沿岸生態系管理によるNbSの技術の確立と一般性の検討。環境関連インフラの機能補完・補強するNbSオプションの有効性検討。モデル地域におけるNbSの持続的管理体制構築に向けた検討。
5年目:開発したNbS技術の体系化と公表。NbSの設計・計画ガイドライン、活動支援ツールの公表。複数のモデル地域でのNbSの実装と体制構築。
今年度の研究概要
自然の機能と地域の知恵を活かしたNbSを、概念・技術・計画・評価の各面から発展させ、地域・流域への持続的な実装させる研究プログラムの活動を軌道に乗せることを重視する。そのため (1) NbS概念の共有と拡張を視野に入れた議論、(2) NbSの新技術開発研究、(3) NbS計画手法の検討、(4) NbSの地域実装に向けた調整、(5) NbSの新たな評価手法の確立に向けた研究に着手するとともに、サブテーマ間の連携に向けた議論・調整を進める。また国環研NbS研究拠点を形成し、内外への情報発信に着手する。
外部との連携
東京大学、石川県立大学、大阪大学、大正大学、東京農業大学、筑波大学