次世代民間航空機で拓く温室効果ガス観測の新展開(令和 8年度)New Frontiers in Greenhouse Gas Monitoring with Next-Generation Commercial Aircraft
- 研究課題コード
- 2630BB001
- 開始/終了年度
- 2026~2030年
- キーワード(日本語)
- 温室効果ガス,航空機観測
- キーワード(英語)
- Greenhouse Gas,Aircraft Observation
課題代表者
丹羽 洋介
- 地球システム領域
エミッション統合評価推進室 - 主幹研究員
- 博士(理学)
- 理学
研究概要
観測用航空機として次世代となるボーイング787型機に新型の二酸化炭素濃度連続測定装置と自動大気サンプリング装置を搭載し、787型機の飛行特性や飛行エリアを最大限に活用して新たな温室効果ガスの観測を展開する。これまで利用してきた777型機による観測から、熱帯域、南アジア、中東域や下部成層圏での観測数を飛躍的に増やし、地球全体をより網羅的に観測することで、地球表層における温室効果ガス循環の理解を大きく前進させる。さらに787型機による観測値の品質や精度を検証するとともに、過去20年間にわたって蓄積されたデータと統合して、唯一無二の長期の航空機データセットとして世界に発信する。
研究の性格
- 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
【航空機観測】
本研究では2つの観測手法により観測を行う。1つはCMEによって航空機の飛行中に連続してCO2濃度を測定する。CMEは飛行中の全ての時間において自動観測が可能であり、水平飛行中に上部対流圏や下部成層圏におけるCO2濃度の緯度・経度分布を、上昇時及び降下時に離着陸地近傍におけるCO2濃度の高度分布を観測する。
もう1つの装置はASEであり、航空機の飛行中に大気試料を採取し、地上の実験室においてCO2、CH4、亜酸化窒素(N2O)、六弗化硫黄(SF6)、一酸化炭素(CO)及び水素(H2)の各濃度とCO2の炭素同位体比(δ13C)及び酸素同位体比(δ18O)を分析する。また、ASEの搭載が出来ない機材については手動サンプリング装置(MSE)によってASE観測を補う。
【787観測の品質評価・データ処理システム】
787型機用CMEのデータ出力の安定性やノイズレベルの777型機用データとの比較、CMEとASEを同時搭載によるCO2濃度観測値の比較、787型機と777型機の同日かつ近傍での観測結果の比較、787型機での観測値と地上観測値との比較ならびに、過去のCONTRAILデータとの時間的連続性を精査することによって787型機観測の品質評価を行う。
【低緯度域の観測と高高度観測】
787型機はインドネシアのジャカルタ、シンガポール、マレーシアのクアラルンプールの熱帯域、南アジア域であるインドのデリー、中東ではカタールのドーハに定期航路がありこれらの便に搭載するCMEで低緯度域におけるデータを取得する。また、欧州便や北米便は圏界面高度の低い高緯度を飛行することから、下部成層圏におけるデータはこれらの路線で収集する。
R8年度〜R12年度
787型機を利用して広域の温室効果ガスの観測を行う。3機の航空機にCMEを搭載してCO2濃度の連続観測を行うとともに、月に1〜2回の頻度でASEを利用して空気試料のサンプリングを行う。データの処理・品質管理を定常的に行う。観測装置の整備業務は装置開発メーカーで装置の特性を知る株式会社ジャムコを、航空機への搭載は観測用航空機を所有する日本航空株式会社を請負先とする予定である。
今年度の研究概要
787型機を利用して広域の温室効果ガスの観測を行う。3機の航空機にCMEを搭載してCO2濃度の連続観測を行うとともに、月に1〜2回の頻度でASEを利用して空気試料のサンプリングを行う。データの処理・品質管理を定常的に行う。観測装置の整備業務は装置開発メーカーで装置の特性を知る株式会社ジャムコを、航空機への搭載は観測用航空機を所有する日本航空株式会社を請負先とする予定である。
外部との連携
気象庁気象研究所