日本人の環境意識・行動変容の規定要因解明と効果的な環境教育・普及啓発手法の開発と検証(令和 8年度)
Identifying determinants of environmental awareness and behavioral change in Japan, and developing and evaluating effective environmental education and outreach strategies

予算区分
ミディアムファンディング枠
研究課題コード
2628BA011
開始/終了年度
2026~2028年
キーワード(日本語)
環境教育,環境意識,行動変容
キーワード(英語)
Environmental education,Environmental awareness,behavioral transformation

課題代表者

林 岳彦

  • 社会システム領域
    経済・政策研究室
  • 上級主幹研究員
  • 理学博士
  • 生物学

担当者

研究概要

持続可能な社会の実現のためには、人々の環境に対する意識や行動の変容が不可欠である。本課題研究では、日本の一般市民における環境意識・行動変容の規定メカニズムを明らかにし、その結果を基に、効果的な環境教育や情報提供等の介入施策の開発・検証を行う。具体的にはまず、国内外の環境意識、行動変容、介入手法、環境教育に関する既往研究をレビューし知見集約を行う。それらの知見を踏まえて、環境問題における日本人の特徴(若年層の環境意識の低さ、自己効力感の低さ、環境問題を巡る日本特有の政治的状況等)を踏まえたオンライン質問票調査を行い、脱炭素(ネット・ゼロ)を中心に、循環経済、ネイチャーポジティブも含めた統合的な環境意識と行動変容に関する規定メカニズムを明らかにする。また、フォーカスグループインタビューやソーシャルネットワークサービス(SNS)上での言説を対象とした質的調査を実施し、環境意識に関するナラティブの分析を行う。これらの結果を基に、効果が見込まれる環境教育や情報提供の介入施策を開発・提案する。さらに、一般市民を対象としたオンライン情報提示実験と、児童・生徒・一般向けの環境教育の現場での実装を通して、それらの施策の効果の評価と検証を行う。特に、児童・生徒・一般向けの環境教育に関しては、その体系的・形成的な評価を可能とするための環境教育プログラムの評価フレームワークの開発を行う。本研究の環境行政に資する成果として、(1)情報提供による行動変容を促す介入手法のデータベース、(2)心理学・行動科学の理論に基づく一般市民向けの環境教育(情報提供)とコミュニケーションのガイダンス、(3)児童・生徒・一般向け環境教育の評価ガイドラインとツールボックスを開発する。本研究の成果は、教育・行政・メディアが市民の行動変容を促すための介入や情報提供等を検討する際の指針となる科学的基盤を提供するものである。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

2026年度は、オンライン質問票調査により、市民の環境意識・行動変容に関わる要因を調査する。取得したデータについて、一般化線形モデル等により要因間の相関構造等を分析し、行動変容に関わる重要な規定因を特定する。2027年度実施のオンライン実験に向けて、想定される効果量等と必要となるサンプルサイズの把握のためのプレテストを実施する。介入手法に関する国内外の既往研究のレビューを実施し、介入手法データベースの基本設計を完成させる。

2027年度は、複数の情報提示メッセージ案を無作為に提示するオンライン実験を行い、市民の特性の違いの層ごとのメッセージ提示の効果を測定する。オンライン実験についてはネット・ゼロの関連項目を主な調査対象とする。ネット・ゼロとともに循環経済、ネイチャーポジティブに関するオンライン質問票調査を行い、それらの意識・行動変容におけるトレードオフやシナジーの存在について探索的分析を行う。環境教育や情報提供等の介入施策の開発を行う。介入手法データベースのベータ版を完成させる。

2028年度は、介入手法データベースを完成させる。昨年度の探索的分析に基づき、ネット・ゼロ、循環経済、ネイチャーポジティブを統合的に対象としたオンライン質問票調査とオンライン実験を行う。それらの間のトレードオフやシナジーの存在を前提とした環境施策・情報提供等の介入施策の開発を引き続き行う。本課題の最終的な研究成果全体についてのワークショップ等を開催し、行政・メディア・環境教育関係者等と知見とツールを共有する。

今年度の研究概要

オンライン質問票調査により、市民の環境意識・行動変容に関わる要因を調査する。取得したデータについて、一般化線形モデル等により要因間の相関構造等を分析し、行動変容に関わる重要な規定因を特定する。令和9年度実施のオンライン実験に向けて、想定される効果量等と必要となるサンプルサイズの把握のためのプレテストを実施する。介入手法に関する国内外の既往研究のレビューを実施し、介入手法データベースの基本設計を完成させる。

外部との連携

本研究は、東京大学、立命館大学、立教大学、桜美林大学との共同研究により実施する。

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