環境DNA新手法パッシブサンプリングを用いた夜間水生生物多様性の評価(令和 8年度)
A novel method for observing nighttime instream biodiversity using environmental DNA passive sampling

研究課題コード
2627AN001
開始/終了年度
2026~2027年
キーワード(日本語)
環境DNA,夜行性,パッシブサンプリング
キーワード(英語)
environmental dna,nocturnal,pasive sampling

課題代表者

末吉 正尚

  • 生物多様性領域
    琵琶湖分室(生物)
  • 研究員

担当者

研究概要

川の水を数百ml汲み生物由来の環境DNAを採取する従来手法に対し、水中にスポンジやろ紙を一定時間設置して環境DNAを捕捉する新手法パッシブサンプリングを用いて、これまで評価が困難であった夜間生物多様性を評価する。具体的な課題は次の3つである。1.捕捉されたDNAがどれくらいの時間保持されるのか、2.日中と夜間で検出される種が異なるのか、3.夜行性希少種や外来種の捕捉DNA量は生息密度を反映できるのか

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

研究内容・計画・方法:本研究では以下の3つの具体的な研究を実施する。
1.パッシブサンプリング設置時間の検証:環境DNAは時間とともに分解されるため、サンプラー上で捕捉されたDNAがどれだけの時間保持されるのかを検証する必要がある。そこで、申請者が作成した地下水を流すことのできる実験水路を用いた生物実験を実施する。この水路に夜行性魚数個体を投入し、日中・夜間の検出DNA量を比較するとともに、個体除去後の経過時間に伴う環境DNAの減衰パターンを調べる。
2.夜行性魚種を含む種多様性の日中・夜間の違いの検証:絶滅危惧種や国内外外来種が生息する河川を対象に、日中と夜間で検出される魚種が異なるのかを調べる。6時間間隔で設置したパッシブサンプラー(スポンジ又はろ紙)の回収と採水を行う。サンプル中の全魚種のDNAを汎用プライマーMiFishで増幅し、メタバーコーディングによって出現種を特定する。出現種は、手法間(採水・パッシブ)および時間帯(日中・夜間)で比較する。
3.絶滅危惧魚種と外来魚種の定量評価:特定種のDNAを増やしDNA濃度を測定する手法(定量PCR)を用いて、いくつかの絶滅危惧種と国内外外来種を対象にDNA量を調べる。対象種は生息密度の既往報告がある種を優先し、生息密度とDNA量の関係性からパッシブ手法が生息量を反映できているのか検証する。

今年度の研究概要

いくつかの地域(群馬、宮崎など)で日中と夜間にパッシブサンプラーを設置し、同時間帯の採水サンプルと比較することで、手法間の違いを検証するとともに、日中と夜間の出現種の違いを明らかにする。また、パッシブサンプラー上で捕捉されたDNAが水中での分解に要する時間を実験水路を用いて検証する。

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