eDNAでプラスチックごみの発生源の追跡 (令和 8年度)Tracing the Pathways and Origins of Marine Plastic Debris Using Environmental DNA (eDNA) of fish: A Case Study of the Western Coast of Kyushu
- 研究課題コード
- 2526NA002
- 開始/終了年度
- 2025~2026年
- キーワード(日本語)
- 環境DNA,海洋プラスチックごみ,発生源追跡,対馬海流
- キーワード(英語)
- Environmental DNA (eDNA),Marine Plastic Debris,Source Tracking,Tsushima Current
課題代表者
SONG Yawen
- 資源循環領域
廃棄物処理処分デザイン工学研究室 - 特別研究員
- 工学博士
- 土木工学
担当者
- LI Yemei
- RIZKIANTO Febrian資源循環領域
- ZHAO Yueyuan資源循環領域
研究概要
近年、海洋プラスチックごみの漂流・蓄積が深刻な環境問題となっている。しかし、多くの漂流プラスチックには発生源を示す情報がなく、その由来や移動経路の解明は困難である。本研究では、海洋プラスチック表面に付着した環境DNA(eDNA)に着目し、九州西海岸(博多湾・対馬・五島列島)において採取した漂着プラスチックを対象に、生物群集解析を実施した。最終的な目標は、プラスチック表面に付着したeDNAを利用して海洋ごみの発生源および漂流経路を推定する手法の有効性を評価することである。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
1.博多湾、対馬、五島列島において漂着プラスチックおよび海水試料を採取する。
2.プラスチック表面および海水から環境DNA(eDNA)を抽出し、次世代シーケンサー(NGS)を用いて生物群集情報を取得する。
3.魚類、軟体動物および海藻類の群集構造解析を実施し、地域ごとの特徴種を抽出する。
4.空間分布解析およびホットスポット解析を行い、海洋ごみの起源推定に有効な指標分類群を選定する。
5.得られた結果を基に、対馬海流を考慮した海洋プラスチックごみの漂流経路および発生源推定手法の有効性を評価する。
今年度の研究概要
今年度は、前年度に得られた成果を踏まえ、漂着プラスチックごみに付着する生物群集の特異性を検証し、漂流履歴および発生源推定に資する生物学的指標の精度向上を図る。採取した漂着プラスチック試料については、試料サイズや分析対象部位等の条件を統一した上で材質・組成分析を行い、各採取地点におけるプラスチック組成の特徴を整理する。その結果をプラスチック表面から得られた環境DNA情報と対応させることで、プラスチックの材質・組成と付着生物群集との関連性を明らかにするとともに、特定の材質や採取地点に特徴的な生物種・分類群が認められるかを検証する。
一方、各採取地点で採取した海水試料についてもeDNA解析を進め、周辺海域における生物群集構造を把握する。これを同一地点で採取した漂着プラスチックの付着eDNA情報と比較することにより、周辺海水に広く存在する生物群と、プラスチック表面に特徴的に認められる生物群との関係を整理する。以上の解析を統合することで、前年度に抽出した候補分類群の指標としての特異性および有効性を検証し、漂着プラスチックごみの漂流履歴・発生源推定手法の高度化につなげる。