気候変動によるBVOC排出量と都市域オゾン生成の変化の予測と抑制の方向性の検討(令和 8年度)
Prediction of Changes in BVOC Emissions and Urban Ozone Formation due to Climate Change and Assessment of Mitigation Pathways

研究課題コード
2627CD001
開始/終了年度
2026~2027年
キーワード(日本語)
植物起源VOC,排出インベントリ,大気質シミュレーション,オゾン,気候変動
キーワード(英語)
Biogenic VOC,Emission inventory,Air quality simulation,Ozone,Climate change

課題代表者

茶谷 聡

  • 地域環境保全領域
    大気モデリング研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(理学)
  • 工学,理学

研究概要

植物から排出される揮発性有機化合物(BVOC)は、都市域におけるオゾンの生成に大きく寄与し、人の健康および植物の成長やCO2吸収能などに悪影響をおよぼす。本研究では、BVOC排出量の推計に必要な高解像度データベースを新たに構築し、将来の気候変動に伴うBVOC排出量の変化を高精度で予測する。現在年と将来年のBVOC排出量、人為排出量、気象場を領域化学輸送モデルに入力し、現在から将来にかけてのオゾン濃度の変化と、BVOC排出量、人為排出量、気象場の寄与割合を明らかにする。また、BVOC排出量の制御も含む対策シナリオに基づく将来予測を行い、オゾン濃度の低減効果を評価する。これらを通して、BVOCの排出とオゾン生成を介した植物気候フィードバックの解明と、それを抑制するために必要な方向性を提示する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

1年目に本研究の基礎となるBVOC排出量推計のためのデータベースと大気質シミュレーションの構築を行う。
2年目に気候変動を考慮した将来予測と対策の検討を行う。

今年度の研究概要

日本国内のBVOC排出量を推計するためのデータベースとして、植生分布のデータベースと樹種毎の基礎放出量のデータベースが必要になる。植生のデータベースとして、環境省の植生調査データを他の高解像度土地利用データと組み合わせ、混在する優占樹種以外からの排出をより適切に表現できるように改良を施し、新たな高解像度植生分布データベースとして構築する。樹種毎の基礎放出量のデータベースについては、最新の研究成果を精査し、個別樹種の観測データに基づく基礎放出量の新たなデータベースを構築する。気象場は領域気象モデルのWRFで計算し、BVOC排出量推計モデルMEGANへの入力とする。オゾンをはじめとする大気汚染物質の濃度は、領域化学輸送モデルのCMAQで計算する。アジアから日本の都市域までのマルチスケールを対象領域とし、全球化学輸送モデルの計算結果をアジア領域の境界濃度に用いることにより、アジア外からの輸送を考慮できるようにする。CMAQへの排出量の入力データとして、BVOC排出量だけではなく、これまでに取りまとめてきた国内外の全ての人為・自然発生源の排出インベントリデータを使用する。CMAQで計算されたVOC濃度を、国内外のVOC濃度観測データと比較し、推計されたBVOC排出量を検証する。

関連する研究課題