環境質の保全と水循環、栄養塩管理の健全化プロジェクト(PJ1)(令和 8年度)Project for Environmental Quality Conservation and the Improvement of the Water Cycle and Nutrient Management
- 研究課題コード
- 2630AB110
- 開始/終了年度
- 2026~2030年
- キーワード(日本語)
- 環境質保全,管理手法開発,微生物汚染,排出インベントリ
- キーワード(英語)
- Environment quality conservation,Developenemt of management methods,Microbial contamination,Emission inventory
研究概要
人口偏在や気候変動などにより、影響の顕著化、局在化、リスクの増大が生じており、対策が不十分な窒素等の栄養塩類、病原細菌・ウイルスや有害藻類などについて、水・大気・土壌などの環境中や水処理インフラなどでの反応や動態を明らかにし、健康リスクや環境質への影響を評価すると共に、それらの適切な管理手法の開発を行う。本研究を通じ、地域スケールでの解決策を考案・提示することで人々のウェルビーイングに繋がる環境質の保全に貢献する。
地域領域(含む琵琶湖分室)、リ・健領域(水道水質研究和光分室)の研究者が連携し、水源から蛇口、使用後の排水処理に至るまでの一貫した水循環や水環境・水質の保全研究に統合的に取り組むことで、地域での水質保全に関わる適切な基準設定や管理の適正化へ貢献する。また、大気分野に加え、水・土壌分野の研究者が連携する事で、反応性窒素を前駆とする大気汚染と健康影響等の軽減のために求められる対策(NOx排出対策)の方向性の提案、水域に排出される栄養塩類の削減により生じる利害の整理を通じた水質(水利用)・生態系保全のバランスを考慮した窒素管理手法の提案に繋げる。
PJ1-1 包括的な水関連リスクの把握と管理手法の開発
既存指標では対応困難な微生物リスクの評価指標および定量手法の検討、災害時のリスク管理に資する迅速リスク評価手法の開発、衛生リスク低減に向けた排水、処理水の管理手法の開発、水質障害対策に資する有害藻類(毒)の同定と分布・動態解明、水域での有害藻類リスクの可視化等を行う。
PJ1-2 窒素等の環境動態の解明と管理手法の開発
地域規模での大気汚染予測の高精度化のため、多物質・高空間解像度の大気排出インベントリと下水道・農業等からの反応性窒素排出を結合、改良すると共に、大気質モデルを窒素動態の観測・実験により検証する。水域での窒素等の管理がもたらす水質保全への寄与と生物生産の停滞などの利害を藻類、微生物群集の高精度観測等に基づいて評価する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
PJ1-1 包括的な水関連リスクの把握と管理手法の開発
3年度目までに微生物汚染の実態、水処理インフラによるリスク低減効果の把握と正確なリスク把握が困難な対象の整理、リスクの評価・可視化のための適切手法を開発する。最終年度までに開発手法の精度・有効性の検証を完了し、安全な水利用の実現に資するリスク管理手法を提示する。
PJ1-2 窒素等の環境動態の解明と管理手法の開発
3年度目までに、窒素排出インベントリ推計・窒素安定同位体計測・NH3チャンバー実験・藻類バイオマス/硝酸塩計測に関する研究手法を確立し、実験・観測データの取得に着手する。最終年度までに、高解像度窒素排出インベントリ開発、NOx起源推定、NH3反応機構解明に基づく大気質シミュレーション、水環境における栄養塩ホットスポット・局所的HABリスクの推定を実施し、大気環境・水環境保全に資する方針を提案する。
今年度の研究概要
PJ1-1 包括的な水関連リスクの把握と管理手法の開発
水処理インフラによる衛生学的なリスク低減効果の把握に向け、病原性細菌等の定量手法の開発を進める。また、生活排水処理水の安全な再利用に向けた技術的検討を開始する。閉鎖性水域における有害藻類の同定と分布の把握・有害藻類リスクの可視化に向けた評価手法の開発を行う。
PJ1-2 窒素等の環境動態の解明と管理手法の開発
窒素排出インベントリ推計・窒素安定同位体計測・NH3チャンバー実験・藻類バイオマス/硝酸塩計測に関する研究手法を確立する。
外部との連携
PJ1-1, タイ バンコク都、カセサート大学