マイクロ・ナノプラスチック(MNP)の汚染状況と影響の把握と将来予測に関する研究(令和 8年度)
Research on the Occurrence, Impacts, and Future Projections of Micro- and Nanoplastic (MNP) Pollution

研究課題コード
2630AA112
開始/終了年度
2026~2030年
キーワード(日本語)
マイクロプラスチック,ナノプラスチック,プラスチック・タイヤ添加剤,汚染動態・将来予測,環境・健康影響評価
キーワード(英語)
microplastics,nanoplastics,plastic and tire additives,Environmental fate and future projection,Environmental and health impact assessment

課題代表者

鈴木 剛

  • 資源循環領域
    持続循環先端技術研究室
  • 室長(研究)
  • 農学博士
  • 生化学,化学

担当者

研究概要

本研究では、マイクロ・ナノプラスチック(MNP)および含有添加剤を対象に、環境中での曝露量と生態系・生物多様性へのリスク評価、ならびに将来予測を一体的に扱い、対策の優先順位付けと進捗評価を可能とする評価枠組みを構築する。この枠組みに基づき、リスク低減に向けた対策の優先順位付けや工程計画を提案するとともに、汚染状況およびリスク評価結果を踏まえて重点的に監視すべき地点・生物を特定し、効率的なモニタリングおよび経年変化の把握手法を提示する。これにより、将来予測との比較を通じて対策の実施状況や汚染終焉に向けた達成度を評価可能とし、実効性のあるプラスチック汚染対策に貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

本研究では、MNPおよび含有添加剤を対象に、(1)汚染実態と環境動態の把握、(2)生物・生態影響および人健康影響評価、(3)シナリオ分析と将来予測を一体的に実施する。研究前半では、閉鎖性湾や淡水湖等の水環境ホットスポット候補地を対象に、フィールド調査、モデリング、生態影響評価および対策効果の整理を進めるとともに、人の曝露実態や曝露経路を考慮した健康影響評価の基盤を構築する。特に、環境由来MNPおよび含有添加剤について、曝露経路の中で重要性が高いと考えられるケースを取り上げ、体内動態、有害性評価値の推定、作用機序の理解に関する知見を整理・評価する。研究後半では、得られた知見を統合し、日本の水環境におけるMNP汚染ホットスポット、重点監視地点・生物、環境曝露量ならびに環境リスクの将来変化を評価する。これにより、科学的根拠に基づく対策の優先順位付け、段階的な実施計画、対策効果の進捗評価に資する評価枠組みを提示する。

今年度の研究概要

今年度は、MNPおよび随伴する含有添加剤を対象に、汚染実態・環境動態、影響評価、将来予測に向けた基盤整備に着手する。(1)では、閉鎖性湾や淡水湖等の水環境ホットスポット候補地を対象に、フィールド調査およびモデリング手法を開発し、モデルサイトでの汚染実態の把握を進める。(2)では、水底質等を対象としたMNPおよび溶出成分の生態影響評価に着手し、試験法の標準化、有害性評価値の提示、作用機序の理解に向けた基礎データを取得する。また、人の曝露実態や曝露経路を考慮した健康影響評価に向けて、経口・経肺曝露による体内取り込み、分布、蓄積および毒性影響を評価するための実験系を整備するとともに、培養細胞を用いた影響評価手法や、生活環境中の環境媒体・生体試料からMNPを検出するための測定法の確立を進める。これらの結果を踏まえ、粒子毒性の評価から含有添加剤の影響評価へ段階的に展開する。(3)では、プラスチック汚染対策ポートフォリオの情報整理と、地域版フロー・ストックおよび流出インベントリの整備に着手する。

外部との連携

(1) 産業技術総合研究所、静岡県環境衛生科学研究所、長崎県環境保健研究センター、沖縄県衛生環境研究所、愛媛大、富山県立大、日本自動車研究所など、(2) 鹿児島大、愛媛大、東京大、九州大、水産技術研究所、産業技術総合研究所、大阪大学、早稲田大学など、(3) 北海道立総合研究機構、エックス都市研究所、東京大など