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キクメイシ骨格に記録されたストロンチウム・カルシウム比と温帯域での水温指標の可能性
論文情報
- タイトル
- A skeletal Sr/Ca record preserved in Dipsastraea (Favia) speciosa and implications
for coral Sr/Ca thermometry in mid-latitude regions (キクメイシ骨格に記録されたストロンチウム・カルシウム比と温帯域での水温指標の可能性)
- 著者
- Seo, I., Lee, Y.I., Watanabe, T., Yamano, H., Shimamura, M., Yoo, C.M., and Hyeong, K.
- 掲載雑誌
- Geochemistry, Geophysics, Geosystems (2013), 14(8), 2873-2885. DOI: 10.1002/ggge.20195
- 受理・掲載日
- 2013/6/6 受理、2013/8/9 掲載

概要
塊状のサンゴは木のように年輪を形成し、年輪に含まれる元素を分析することにより、過去の水温などの古環境を週~年単位で復元することができる。
長崎県壱岐は温帯にも関わらず、塊状のキクメイシによってサンゴ礁が形成されている。そのキクメイシの大型群体からコアを掘削し、年輪に含まれるストロンチウム・カルシウム比を測定し、水温と相関があることを明らかにした。
従来、水温の復元はハマサンゴで行われてきたが、ハマサンゴの分布域が熱帯・亜熱帯に限られるのに対し、キクメイシは熱帯から温帯まで広く 分布する種であるため、キクメイシは熱帯から温帯まで広く水温の復元に利用できる新しい指標となる。
キクメイシからのコアの掘削の様子
この大きさのキクメイシは100年以上の環境を記録している