南極の海氷減少に成層圏のオゾンホールが及ぼす影響(令和 8年度)The impact of the stratospheric ozone hole on Antarctic sea ice Loss
- 予算区分
- 基盤研究(B)
- 研究課題コード
- 2628CD015
- 開始/終了年度
- 2026~2028年
- キーワード(日本語)
- 南極,海氷,成層圏,オゾンホール
- キーワード(英語)
- Antarctic,sea ice,stratosphere,ozone hole
課題代表者
秋吉 英治
- 地球システム領域
気候モデリング・解析研究室 - シニア研究員
- 博士 (理学)
- 物理学,地学,コンピュータ科学
研究概要
南極の海氷は1979年から2015年までわずかに増加してきたが、2016年に著しく減少し、その後、記録的な減少を続けている。先行研究で、近年の海氷減少には、大気や海洋の内部変動が関わっていることが指摘されているが、温室効果ガス、特に南極の成層圏オゾンの減少(オゾンホール)の影響は明らかにされていない。本研究では、観測データおよび大気海洋結合モデルを用いて、近年の南極の海氷減少に成層圏のオゾンホールが及ぼす影響の物理プロセスを明らかにし、将来予想される複数のシナリオに基づいて、南極の海氷減少が将来、オゾンホールの回復とともにどのように変化するか、定量的に評価する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
2026年度:温室効果ガスとオゾン濃度の定常値の変化に対する南極の海氷の応答
南極の海氷は成層圏オゾンの変化に対して2つの異なる時間スケールで応答するため、大気海洋結合モデル(SINTEX-F2)を用いて、オゾンを除く温室効果ガスとオゾン濃度の定常値を変化させた長期(100年)積分実験を行い、海氷の応答の違いを調べる(実験A:1960年の温室効果ガスとオゾン濃度を与えた実験、実験B:2000-2025年で平均した温室効果ガスとオゾン濃度を与えた実験、実験C:実験Bで成層圏オゾン濃度を1960年の値にした実験)。また、他の利用可能な大気海洋結合モデルの実験結果(CMIP6)との比較を行う。
2027年度:過渡的に変化する温室効果ガスとオゾン濃度に対する南極の海氷の応答
南極の海氷減少を現実的に再現するため、大気海洋結合モデル(SINTEX-F2)を用いて、観測された温室効果ガスとオゾン濃度を与えた過去再現実験を行い、時間とともに過渡的に変化する温室効果ガスとオゾン濃度に対する海氷の応答の違いを調べる。モデルの初期値に対する不確実性を評価するため、異なる10個の初期値で、1960年から2025年まで積分した実験を行う(実験A:1960年の温室効果ガスとオゾン濃度を与えた実験、実験B:観測された温室効果ガスとオゾン濃度を与えた実験、実験C:実験Bで成層圏オゾン濃度を1960年の値にした実験)。また、他の利用可能な大気海洋結合モデルの実験結果(CMIP6)との比較を行う。
2028年度:将来予想される温室効果ガスとオゾン濃度の変化に対する南極の海氷応答
南極の海氷の将来変化を調べるため、大気海洋結合モデル(SINTEX-F2)を用いて、将来予想される4つのシナリオ(高・中・中低・低排出シナリオ)について、温室効果ガスとオゾン濃度を与えた将来予測実験を行い、時間とともに過渡的に変化する人為起源の影響に対する海氷の応答の違いを明らかにする。モデルの初期値に対する不確実性を評価するため、異なる10個の初期値で、2026年から2100年まで積分した実験を行う(実験A:2026年以降に予想される温室効果ガスとオゾン濃度を与えた実験、実験B:実験Aで成層圏オゾン濃度を2025年の値にした実験)。また、他の利用可能な大気海洋結合モデルの実験結果(CMIP6)との比較を行う
今年度の研究概要
温室効果ガスとオゾン濃度の定常値の変化に対する南極の海氷の応答について調べる。
南極の海氷は成層圏オゾンの変化に対して2つの異なる時間スケールで応答するため、大気海洋結合モデル(SINTEX-F2)を用いて、オゾンを除く温室効果ガスとオゾン濃度の定常値を変化させた長期(100年)積分実験を行い、海氷の応答の違いを調べる(実験A:1960年の温室効果ガスとオゾン濃度を与えた実験、実験B:2000-2025年で平均した温室効果ガスとオゾン濃度を与えた実験、実験C:実験Bで成層圏オゾン濃度を1960年の値にした実験)。また、他の利用可能な大気海洋結合モデルの実験結果(CMIP6)との比較を行う。
外部との連携
研究代表者:森岡 優志(国立研究開発法人海洋研究開発機構)
関連する研究課題
- : 気候変動分野に関するPJ以外の研究
- 27639 : 地球システム領域(ア:先見的・先端的な基礎研究)