小児期におけるビスフェノール類曝露が健康に及ぼす影響の疫学的評価(令和 8年度)
Epidemiological Evaluation of the Health Effects of Bisphenol Exposure in Childhood

予算区分
食品健康影響評価技術研究
研究課題コード
2628ZZ002
開始/終了年度
2026~2028年
キーワード(日本語)
コホート調査,ビスフェノール類,健康影響,小児期
キーワード(英語)
Cohort Study,Bisphenols,Health Effect,Childhood

課題代表者

中山 祥嗣

  • 環境リスク・健康領域
    エコチル調査コアセンター
  • 次長
  • 博士(医学)
  • 医学,化学

担当者

研究概要

ビスフェノール類は、食器や容器、玩具、缶詰の内側の塗料などに使用されており、飲食物へと移行することで、人の体内に取り込まれる可能性がある。内分泌かく乱作用を有することから、近年では、極めて低用量の曝露による健康影響が懸念されている。
本研究では、日本人小児を対象とする疫学研究を基盤に、2011〜2021年のビスフェノール類曝露の経年変化と同一個人でのビスフェノール類曝露の再現性を評価する(曝露評価)。さらに、小児期のビスフェノール類曝露が体格の成長と二次性徴、性ホルモン値に与える影響、精神的、身体的な影響(肥満、アレルギー疾患、行動発達、うつ、耐糖能、脂質代謝)を評価する(健康影響評価)。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本研究は、碧南こどもスタディで収集済みの情報、生体試料を用いて実施する。碧南こどもスタディは、愛知県碧南市の小中学校に通う児童、生徒を対象とした疫学研究であり、アンケート情報、健康診断と体力測定の結果、早朝尿、血液を収集している。2011〜2015年度の小学1年生を対象とした調査に3141名が参加し、小学4年生、中学1年生、中学3年生の時に再調査が実施された。
本研究では、1)2011年から2021年に採取した尿を用いてビスフェノール類の濃度を測定し、集団におけるビスフェノール類曝露の経年的な変化を記述する、2)同一個人の小学1年生、小学4年生、中学1年生にかけてのビスフェノール類曝露の変化と再現性を評価する、3)ビスフェノール類曝露に関連する食事性因子を探索する、4)ビスフェノール曝露が体格の変化(成長曲線)と二次性徴に与える影響を評価する、5) ビスフェノール曝露と性ホルモン値との関連を評価する、6)ビスフェノール曝露と肥満、アレルギー疾患、行動発達、うつ、耐糖能、脂質代謝との関連を評価する(図1)。

今年度の研究概要

令和8年度
1. 尿中ビスフェノール類濃度の測定(中山)
調査対象として各調査年に100名ずつを抽出し、同一個人から小学1年生、小学4年生、中学1年生の3時点で採取した尿試料を用いる(計5年×100名×3回=1,500検体)。これらの尿試料について、液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて、ビスフェノール類(bisphenol A, F, S, AF)の濃度を測定する。
2. ビスフェノール類曝露状況の分析(和田、中山)
年齢別、採取年別に尿中ビスフェノール類濃度を記述する。2011〜2021年のビスフェノール類への曝露状況の年次推移、年齢別(小1、小4、中1)の曝露状況、同一個人の曝露状況の変化と再現性を分析する。
食事摂取頻度調査票から食品、栄養素の摂取量を推定する。食事摂取頻度調査票は、応募者らが小児用に開発し、妥当性が確認されている(Nagata et al. J Epidemiol 2019)。尿中ビスフェノール類と食事摂取との関連を分析し、ビスフェノール類曝露に寄与する食事性因子を調べる。

外部との連携

国立がん研究センター がん対策研究所の和田恵子室長(研究代表者)、澤田典絵部長、井上真奈美研究員との共同研究

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