原発事故後の避難指示区域における人間活動と環境の変化に伴う野生動物の時空間的応答(令和 8年度)Spatiotemporal Responses of Wildlife to Changes in Human Activities and the Environment within Evacuation Zone Following the Nuclear Accident
- 研究課題コード
- 2628CD014
- 開始/終了年度
- 2026~2028年
- キーワード(日本語)
- 生物多様性,再野生化,人と野生動物の軋轢,野生動物,原発事故
- キーワード(英語)
- Biodiversity,Rewild,Human-wildlife conflict,wildlife,NPP accident
課題代表者
吉岡 明良
- 福島地域協働研究拠点
環境影響評価研究室 - 主幹研究員
- 博士(農学)
- 農学
担当者
- 玉置 雅紀生物多様性領域
研究概要
福島第一原子力発電所事故後、住民が避難した避難区域とその周辺域では、人間活動とその環境が時間とともに大きく変化している。2016年の研究では、避難区域内においてイノシシなど一部の野生動物種の個体密度が、区域外に比べて高いことが報告された。現在では、無居住化が続く地域(帰還困難区域)と、避難指示が解除され住民が帰還し、人間活動が再開された区域が混在している。本研究では、原発事故後、住民の避難が続く帰還困難区域と人々が帰還した区域において、トレイルカメラを用いた調査を行い、野生動物の種構成、個体密度、活動時間の変化を、2016年の調査結果との比較により長期的な視点で明らかにすることを目的とする。
そのために、1. 人間の活動量の異なる帰還困難区域内外の地域における野生動物相、個体密度とその活動時間帯について明らかにする。
2. 本調査結果と過去の避難指示区域内外の野生動物調査の結果の違いについて、避難対象地域の変遷と人の活動量等から明らかにする。
3. 各野生動物種の生息地特性を明らかにし、主要な動物種、とりわけ人との軋轢が大きい種について、その出現地域や分布特性を地理情報を用いて明らかにする。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
1.人間の活動量が異なる福島県の帰還困難区域内外の地域における野生動物相、個体密度とその活動時間帯の変化を調査する。2016年度に実施されたカメラトラップに基づく野生動物相のモニタリング調査の結果を参考に、避難指示区域内外に調査地点を設け、トレイルカメラを設置する。2026年6月から調査を実施する。撮影データをもとに、撮影頻度と活動時間の解析を行い、避難区域等のエリアごとに比較する。
2. 経年変化に伴う避難指示区域内外の野生動物の変化を明らかにする。2016年度と本調査(上記1)の野生動物調査の結果を比較し、経年変化に伴う動物の分布状況の変化を明らかにする。
3. 動物種の生息地特性とその予測、及び動物種の放射性核種汚染の解析を行う。上記1・2の結果を踏まえ、主要な動物種、とりわけ人との軋轢が大きい種(イノシシやツキノワグマ等)について、GISを用いてその出現・分布状況の空間解析を行う。加えて、作成した出現・分布マップに、調査地域の放射性核種の汚染モニタリングマップのレイヤーを重ねることで、野生動物の放射能汚染のリスク評価を行う。
国立環境研究所では、分担機関として調査やデータ分析の支援を行う。
今年度の研究概要
国立環境研究所では、カメラトラップの点検等のデータ整備を支援する。
外部との連携
本研究課題は岩手大学の斎藤梨絵准教授が代表を務める科研費課題(基盤C)である。
岩手大学、福島大学