避難指示区域とその周辺のモニタリングと生物・生態系データ共有・公開及び観測ネットワークへの貢献(令和 8年度)
Monitoring in and around the Evacuation Zone, Sharing and Dissemination of Biological and Ecological Data, and Contributions to Observation Networks

研究課題コード
2630AX116
開始/終了年度
2026~2030年
キーワード(日本語)
生物多様性,里地里山,避難指示区域,原子力災害,自動観測
キーワード(英語)
Biodiversity,SATOYAMA,Evacuation zone,Nuclear disaster,Automated observation

課題代表者

吉岡 明良

  • 福島地域協働研究拠点
    環境影響評価研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(農学)
  • 農学

担当者

研究概要

原子力災害が生じた地域における継続的に収集・整備された公開生物情報は、世界的に類を見ない学術価値を有することに加え、近年急速に問題になっている、人口減少地域におけるクマやシカ等の野生動物管理に資する基盤情報となることが期待される。
本研究課題は、避難指示区域とその周辺域を対象とした生物相モニタリングとデータ共有・公開を継続・発展させることにより、福島における野生生物に係る科学的根拠のない風評被害の払しょくへの貢献を目指すとともに、地方の人口減少に伴う無居住化が里地里山の生物多様性や野生動物との軋轢にもたらす影響の評価・分析に資する、あるいは生物多様性モニタリングの効率化・省力化に資する知見及び基盤情報の提供を行うことを目的とする。
そのために、前中期より継続的に調査が行われている福島県内の東日本大震災による避難指示区域及び旧避難指示区域を含む地域において、陸域の里地里山の指標的な生物種の分布・動態(在不在又は個体数)調査を実施する。得られたデータは研究者が分析可能、あるいは一般市民が閲覧可能な形で整備する。分布・動態調査の過程で自動撮影カメラ(カメラトラップ)や録音装置等の機械観測によって得られるデジタル情報についてもAI学習の基盤となるような形で整備する。得られた情報は他地域・他機関も含む生物多様性観測ネットワークにも貢献可能な形で共有、あるいは公開する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

陸域の国有林等数十地点において、カメラトラップ等によるほ乳類の分布・動態調査、学校・集会所等数十地点において録音装置や専用トラップを用いて、里地里山の環境指標となる鳥類・カエル類・昆虫類(主にハナバチ類等の送粉昆虫、あるいは草原性の鳴く虫等を想定)の分布・動態調査を実施する。研究者が分析可能、あるいは一般市民が閲覧可能な形で生物の分布・動態に関するデータを整備し、オンライン等で公開する(GBIF登録やデーターペーパー、あるいは避難指示区域の生物多様性の現状を評価した論文の付録データ等の形を想定)。また、自動撮影カメラや録音装置等の機械観測の際に得られる映像・音声等のデジタル情報に関しては、Snapshot USAのプロトコルやCamtraDP形式等の標準化された方法で整備し、AI学習等での利用のために研究者間で利用しやすい形とする。また、Snapshot Japanイニシアティブに参加する等、他地域・他機関も参加する生物多様性観測ネットワークに参加することで、広域的な分析等にも利用されやすい形でデータ共有・公開を進める。モニタリングネットワークへの参加や他課題によってモニタリング手法及び体制の改善に関する知見が得られた場合は、適宜本課題におけるモニタリングの効率化のために適用し、実証する。なお、調査地点(国有林内、学校・集会所等でそれぞれ最大で約50地点程度)・調査項目は外部資金の獲得状況等に応じて年度ごとに適宜見直しを行う。

今年度の研究概要

約50地点、における、第5期までと同様、あるいは比較可能な手法で実施した生物分布・動態データを収集、研究者及び関心のある市民が利用可能な形で整備する。またSnapshot Japanに参加して国際的なプロトコルでのデータ公開に貢献する。自動撮影装置又は録音装置で得られたデジタル情報は、里地里山の指標種として主要な種複数種についてAI学習・検証用データとして整備し、共同研究者間で利用可能な形にする。

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