イソプレンのオゾン酸化で生成する高含酸素成分からなる新粒子の吸湿特性に関する研究(令和 8年度)
Study on the hygroscopic properties of newly formed particles consisting of highly oxygenated hydroperoxides produced by isoprene ozonolysis

予算区分
学術変革A公募研究
研究課題コード
2627CD002
開始/終了年度
2026~2027年
キーワード(日本語)
吸湿特性,高含酸素成分,イソプレンのオゾン酸化,新粒子生成
キーワード(英語)
Hygroscopic properties,Highly oxygenated organic molecule,Isoprene ozonolysis,New particle formation

課題代表者

猪俣 敏

  • 地球システム領域
    地球大気化学研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(理学)
  • 理学 ,化学,地学

研究概要

新粒子生成(NPF)は、大気中の粒子の量を決定するだけでなく、雲凝結核(CCN)の量を決定する点で重要である。我々は、植物起源揮発性有機化合物(BVOC)の中で最も多く放出されているイソプレンのオゾン酸化反応でNPFが起こること、その成分は高含酸素成分からなることを明らかにしてきた。高含酸素成分からなる粒子は、吸湿性が高いことが予想され、CCNを増加させ、森林地域でcoolingに働く可能性が考えられる。そこで本研究では、イソプレンのオゾン酸化反応で生成する粒子の吸湿特性と成分ののO:C比を求める。本研究を通し、森林域のエアロゾル−雲相互作用の数値の精緻化に貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

新粒子生成(NPF)は、大気中の粒子の量を決定するだけでなく、雲凝結核(CCN)の量を決定する点で重要である。我々は、植物起源揮発性有機化合物(BVOC)の中で最も多く放出されているイソプレンのオゾン酸化反応でNPFが起こること、その成分は高含酸素成分からなることを明らかにしてきた。高含酸素成分からなる粒子は、吸湿性が高いことが予想され、CCNを増加させ、森林地域でcoolingに働く可能性が考えられる。本研究では、イソプレンのオゾン酸化反応で生成する粒子のCCN活性を調べ、吸湿性パラメター(κ)を決定する。オゾン反応のみの場合と、OHラジカル反応を含んだ場合との比較、モノテルペンのオゾン酸化との比較を行う。また、イソプレンとモノテルペンが共存する場合についても調べる。また、吸湿性のある粒子の成分及びO:C比を高分解能質量分析計を用いて調べる。

今年度の研究概要

室内反応実験で、イソプレンとオゾンの反応他で生成した粒子を、走査式移動度CCN分析法(SMCA)を用いて、吸湿性を測定する。吸湿性を示す粒子をSMPSで分級してフィルターに捕集し、高分解能質量分析計で分析を行い、O:C比を求める。室内反応実験は、テフロンバッグを用いて行う。NPFを見るため、シード粒子なしで実験を行う。実験は、炭化水素過剰の条件で行い、オゾンがなくなった段階で、SMCA法で吸湿性の測定を行い、吸湿性パラメター(κ)を決定する。最初に、オゾン反応だけのものを見るために、OHラジカル捕捉剤(ジエチルエーテル)を導入する。炭化水素の量を変化させて、生成する粒子のサイズを変化させて、吸湿性が変化するかを見る。各実験の終わりに、吸湿性を示す粒子のサイズだけをSMPSで掃引して分級してフィルターに捕集する。粒子の捕集は水ベースのCPCの排気のラインにフィルターをセットして捕集する。OHラジカル捕捉剤を入れないと、イソプレンとオゾンの反応でOHラジカルが生成してOHラジカルとの反応も同時に起こることになる。比較のため、OHラジカル捕捉剤を導入しない条件でも同様の実験を行う。また、比較のため、モノテルペンの代表としてα-ピネンの系でも同様に行う。

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