非有害廃棄物のケミカルリサイクル利用に関する国際標準化に向けた研究(令和 8年度)
Research toward International Standardization for the Use of Non-Hazardous Waste in Chemical Recycling

予算区分
環境問題対応型研究
研究課題コード
2628BA002
開始/終了年度
2026~2028年
キーワード(日本語)
プラスチック廃棄物管理,ケミカルリサイクル,国際標準化,循環経済,プラスチック資源循環の高度化
キーワード(英語)
plastic waste management,chemical recycling,international standarization,circular economy,advanced plastic resource circulation

課題代表者

石垣 智基

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分デザイン工学研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 生物工学,工学,化学工学

担当者

研究概要

本研究は、再利用やマテリアルリサイクルが困難な性状のプラスチックを含む非有害廃棄物について、広域的かつ徹底的な資源化を実現するための技術的・制度的基盤を構築するものである。非有害廃棄物を加工して得られる材料をケミカルリサイクルで利用する際の品質管理と流通の適正化を中心的課題とし、国際標準(ISO規格)化を通じてその有効利用を制度的に支えることを指向する。
資源化物の品質管理の観点から、プラスチックや紙類などの材料価値要素と、ポリオレフィンやリチウムイオンバッテリーなどの混入により資源化を阻害する要素を精査する。さらに、ケミカルリサイクルの主要用途(熱分解、ガス化、溶媒ベース解重合)ごとに、事業者が求める品質水準・安定性・技術的要件を体系化し、資源化事業者およびケミカルリサイクル事業者の双方に共通する評価基準を策定する。
また、ケミカルリサイクル目的での広域流通に関する国際的な市場条件および制度的用件を調査し、特に日本およびアジア地域における拡大方策を検討する。その際、ケミカルリサイクルで生成される化学原料(モノマー、ナフサ、合成ガスなど)を利用する市場の成長も前提条件として考慮し、資源循環全体の整合性を確保する。
さらに、サーキュラーエコノミーの文脈における正当性を検証するための規格対象範囲・受入れ項目・需要性を設定し、プラスチックの再生利用を損なうことのない合理的な材料調達のスキームと検証体制を構築する。最終的には、ケミカルリサイクル材料の品質管理・流通・規格化を一体的に設計し、燃料利用から材料循環への転換を支える国際的ルールづくりに資するとともに、日本発の循環技術の戦略的な海外展開を可能とするビジネスモデルの構築を図る。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

■本研究の最終目標は、非有害廃棄物中に含まれる未利用プラスチックを、単純な処理・処分や燃料利用から脱却させ、ケミカルリサイクル材料として循環利用する社会実装の基盤を確立することである。そのため、原料となる廃棄物および加工により生成されるケミカルリサイクル材料について、品質を定量的に管理する手法を確立し、ケミカルリサイクル事業者が求める品質仕様を整理する。
■また、これらの材料の国際的な流通・利用に関する市場性と受容性を明らかにする。得られた研究成果は、ISO/TC300における国際標準の新規提案として展開し、循環経済の実現に向けたプラスチック廃棄物の資源循環システムの高度化およびグローバルな資源循環連携の強化に寄与することを目指す。
■国際標準化の議論と産業界への実装を通じて、日本のリサイクル技術の信頼性向上と、アジア市場を視野に入れた国際競争力の強化に資する。

今年度の研究概要

(1)非有害混合廃棄物を対象とした組成・成分分析、文献調査を行い、紙・繊維・プラ等の有用物質の組成、異物混入率、水銀などの有害物質含有量、発熱量、包装状態等の特性を調査し、変動範囲や不確実性の情報を含めてデータベース化する。実プラントおよび実証試験の結果を参照し、ケミカルリサイクルのプロセス(熱分解、ガス化、溶媒解重合)ごとに要求される品質範囲と、異物・不適物の混入が生成物収率や品質に与える影響に関する初期データを取得する。また、欧州の環境団体へのヒアリングを通じ、循環経済と整合したケミカルリサイクルの推進方策、対象とすべき廃棄物の範囲、上位リサイクルとの線引きの考え方を整理する。
(2)国内外のケミカルリサイクル事業者を対象に、アンケート調査および聞き取り調査を実施し、処理プロセス、受入れ材料の条件、生成物の仕様および利用先に関する情報を体系的に収集する。得られたデータと既往文献を比較し、技術的・制度的な相違点を整理する。特に、主要プロセスである熱分解、ガス化、溶媒解重合において生成される資源化物(熱分解油・ナフサ・合成ガス・モノマー)の品種変動の要因および変動に対する許容度について情報を収集し、技術仕様の設定時の基礎資料として活用する。
(3)アジア主要国を対象に、プラスチック資源循環政策、ケミカルリサイクルまたは化学プラント関連の設備投資、廃棄物・貿易・企業統計などの市場関連データを収集する。これらを元に、ケミカルリサイクル市場の潜在的規模とアジアでの実現可能性に関して定量的に分析し、ケミカリリサイクル原料の広域的流通経路を可視化する初期モデルを開発する。

外部との連携

京都大学

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