エルニーニョ・南方振動の東アジアと北太平洋における季節的遠隔影響の力学的解明(令和 8年度)Dynamical Elucidation of the Seasonal Teleconnections of ENSO in East Asia and the North Pacific
- 予算区分
- 基盤C
- 研究課題コード
- 2628CD002
- 開始/終了年度
- 2026~2028年
- キーワード(日本語)
- エルニーニョ現象,エルニーニョ・南方振動,気候変化,テレコネクション
- キーワード(英語)
- El Niño,El Niño-Southern Oscillation,Climate Change,Teleconnection
課題代表者
林 未知也
- 地球システム領域
地球システムリスク解析研究室 - 主任研究員
- 博士(理学)
- 理学 ,物理学,数学
研究概要
エルニーニョ・南方振動(ENSO)は世界中に異常気象をもたらす年々変動であり、季節サイクルとの非線形相互作用により生じる決定論的変動の発見により、その季節的振る舞いの力学的理解が近年進展した。一方、ENSOに伴う遠隔影響の季節依存性が顕著な地域や、そのメカニズム、温暖化に伴う変化は未解明である。本研究は、季節サイクルとの非線形相互作用の概念に基づき、東アジア・北太平洋の広域におけるENSO遠隔影響の季節性が顕著な地域を検出し、その力学的背景および地球温暖化応答を解明する。さらに、日本周辺の高解像度データを活用し、日本の地域ごとの多様な気候変数に対するENSO遠隔影響を整理する。これにより、地球温暖化に伴うENSO遠隔影響の変化に対する影響評価・適応研究の基盤を提供することが期待される。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
1年度目は、観測的データや気候モデル大規模アンサンブルを用いて、東アジア・北太平洋におけるENSOの決定論的変動を過去について検出を試みる。過去の観測的データから、季節サイクルとの非線形相互作用がENSO遠隔影響に果たす役割を定量化する。また、気候モデルでのENSOに伴う決定論的変動を検出するために、気候モデル大規模アンサンブルを解析する。
2年度目は、過去から未来にかけて時系列的にENSOに伴う決定論的変動のシグナルを検出し、その長期変化を解析する。変動の長期的な変化が検出されればその要因を、MIROC6大規模初期値アンサンブルの活用により、人為的温室効果ガス強制および人為的エアロゾル強制に分けて調査することが可能である。
3年度目は、対象領域全体におけるENSO遠隔影響の決定論的変動について物理的解釈を試みる。
今年度の研究概要
本研究では、ENSOに伴う決定論的変動(ENSO・ENSOと季節サイクルとの非線形相互作用)に着目して、東アジア・北太平洋の広域および日本におけるENSO遠隔影響と、それらの長期変化を明らかにする。1年度目は、観測的データや気候モデル大規模アンサンブルを用いて、東アジア・北太平洋におけるENSOの決定論的変動を過去について検出を試みる。また、その変動の将来にかけての長期変化の調査に着手する。まず過去の観測的データから、季節サイクルとの非線形相互作用がENSO遠隔影響に果たす役割を定量化する。さらに、気候モデルでのENSOに伴う決定論的変動を検出するために、気候モデル大規模アンサンブルにおいて上記の観測的データと同等の解析をする。このために、MIROC6大規模初期値アンサンブルやd4PDF全球大気モデルデータなどを活用する。