糸状DNAウイルスがニホンミツバチの生理機能に及ぼす影響の解明(令和 8年度)
Elucidation of the effects of filamentous DNA viruses on the physiological functions of the Japanese Honey bees (Apis cerana japonica)

研究課題コード
2628CD001
開始/終了年度
2026~2028年
キーワード(日本語)
ミツバチ,DNAウイルス,病原性,保全
キーワード(英語)
Honey bees,DNA virus,Pathogenicity ,Conservation

課題代表者

鈴木 亮彦

  • 生物多様性領域
    生態リスク評価・対策研究室
  • 特別研究員

担当者

研究概要

ミツバチは重要な花粉媒介昆虫であるが,近年,主に病原ウイルス感染による本種の個体数の減少が指摘されている.我々はこれまで,糸状DNAウイルスが日本在来種であるニホンミツバチの巣門前における死亡に関連していることを見出した.当該ウイルスがニホンミツバチの生理機能にどのように影響し死に至らしめるのか?,という問いに答えることは,ミツバチの病原体研究に新たな視座を与え,保全戦略の基盤の構築にも貢献できる.本研究では,ニホンミツバチに感染している糸状DNAウイルスの病原性の詳細を同ウイルスの遺伝子解析や感染実験による生理機能への影響評価から明らかにする.

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究では,ニホンミツバチに感染している糸状DNAウイルスの病原性の詳細を同ウイルスの遺伝子解析や感染実験による生理機能への影響評価から明らかにする.初年度に我々の管理するおよびこれまでに研究協力を得ている養蜂家の管理するニホンミツバチから糸状DNAウイルスの精製を試みる.ウイルスの同定は,既報のプライマーを用いた遺伝子解析と電子顕微鏡による形態観察で行う.次に,ウイルスの全ゲノム解析から病原性関連遺伝子を特定する.加えて,当該ウイルスが感染性を保持したまま保存できる条件を検討し,研究室下でのウイルス資源保存の最適化を図る.
 2年目および3年目は,糸状DNAウイルスの感染実験からニホンミツバチへの影響評価を行う.まず,我々がすでに開発した実験室下でのニホンミツバチの飼育管理法を用いて,当該ウイルスを感染させ,感染部位を特定する.感染組織は,マイクロスコープおよび電子顕微鏡を用いて,形態変化を非感染個体の組織と比較することで,病理組織学的知見を得る.次に,ニホンミツバチの生理機能への影響を評価するため,非感染群と感染群間で(1)接種ウイルス粒子濃度ごとの生存率を比較し,死亡に寄与するか否かを感染ウイルス量の違いとともに調べる.また,(2)RNA-Seq解析により,発現遺伝子情報を網羅的に取得したうえで,特に免疫関連遺伝子に着目し,感染群で発現量が有意に減少している遺伝子を明らかにする.さらに,(3)申請者らが見出したニホンミツバチの主要腸内細菌6属の絶対数を定量PCRで算出し,当該ウイルス感染が腸内細菌叢組成をどのように変化させるかを明らかにする.

今年度の研究概要

今年度はまず,ニホンミツバチからの糸状DNAウイルスの精製を目指す.ウイルスの同定は,既報のプライマーを用いた遺伝子解析と電子顕微鏡による形態観察で行う.次に,ウイルスの全ゲノム解析から病原性関連遺伝子を特定する.加えて,当該ウイルスが感染性を保持したまま保存できる条件を検討し,以降の感染実験のための研究室下でのウイルス資源保存の最適化を図る.

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