脱炭素、資源循環、自然再興の早期実現に向けてシステムチェンジを加速する研究プログラム(令和 8年度)
Research Program for Accelerating Systems Change towards Carbon Neutrality, the Circular Economy, and a Nature-Positive future

研究課題コード
2630SP010
開始/終了年度
2026~2030年
キーワード(日本語)
脱炭素,循環経済,自然再興,
キーワード(英語)
decarbonization,circular economy,nature positive,

課題代表者

高橋 潔

  • 社会システム領域
  • 領域長
  • 博士(工学)
  • 土木工学,工学

南齋 規介

  • 資源循環領域
    資源循環領域
  • 領域長
  • 博士(エネルギー科学)
  • システム工学,化学工学

担当者

研究概要

将来世代を環境的脅威から守り、人々のウェルビーイングが高まる社会を作るために、脱炭素・資源循環・自然再興を早期実現することの意義や必要性を明らかにする。その上で、実現の要となるシステムチェンジの同定と加速化手段の提案に多角的に取り組み、システムチェンジの社会実装を促進する科学的基盤を構築する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

脱炭素、資源循環、自然再興の早期実現の概念設計と計測手法の開発、マクロ・メソ・ミクロ的視点からのシステムチェンジの加速化手段の開発を行う。
具体的には、概念設計と計測手法の開発については、自然資本を含めた将来の社会像の提示に向けた自然資本の評価軸を脱炭素、資源循環、自然再興の早期実現の価値と効果を評価する枠組みへ組み込み、現状の理解と進捗評価のための自然資本を中心とした指標群の開発と将来の社会像に応じた国内における指標の目標値の規定、国・地域間比較、対策・制度の構造分析、国内における事例研究を通じた日本のシステムチェンジを加速する手法論の開発に取り組む。システムチェンジの加速化手段開発のうちマクロ的視点からのアプローチについては、世界全体を対象に、脱炭素・資源循環・自然再興の施策間の相反性を抑えつつ国際目標を実現する経路群を示すとともに、施策の遅延や相反の影響・負担の地域偏在性を明確化し、早期対策の有効性を定量的・定性的に評価する。また、日本に焦点を当て、自然再興との競合を回避し、資源循環の促進と両立させながら脱炭素を実現するための削減経路、技術・施策や、脱炭素に向けたシステムチェンジを加速させる確度を高める主要技術および制度の対応計画を示す。メソ・ミクロ的視点については、生産者と消費者の双方に着目し、社会を支える財・サービス(素材・エネルギー・移動・ヘルスケアなど)を対象に将来の供給構造と転換経路を具体化し、加速的な構造転換に向けた潜在的障壁と克服策を特定する取組と、人々の生活・消費における環境配慮行動の障壁を特定するとともに環境負荷が高く特徴的な行動を対象として加速的な行動変容が生じるメカニズムを解明し、行動変容を効果的に促す介入政策・施策を評価する取組を行い、システムチェンジの加速化手段の開発を目指す。

今年度の研究概要

将来世代を環境的脅威から守り、人々のウェルビーイングが高まる社会を作るために、脱炭素・資源循環・自然再興を早期実現することの意義や必要性を明らかにする。その上で、実現の要となるシステムチェンジの同定と加速化手段の提案に多角的に取り組み、システムチェンジの社会実装を促進する科学的基盤を構築する。
具体的には、「脱炭素・資源循環・自然再興の早期実現の概念設計と計測手法の開発」「マクロ的視点によるシステムチェンジの加速化手段の開発」「メソ・ミクロ的視点によるシステムチェンジの加速化手段の開発」の3つの課題に取り組む。
「脱炭素・資源循環・自然再興の早期実現の概念設計と計測手法の開発」については、自然資本を含めた将来の社会像の提示に向けた概念設計の核となる要素を明らかにする。また、世界および日本を対象として、現状の理解と進捗評価のために利用可能な既存指標を整理するとともに、新たな開発が必要とされるギャップを明らかにする。日本のシステムチェンジを加速する手法探索のための国・地域間比較および対策・制度の構造分析の設計を行う。
「マクロ的視点によるシステムチェンジの加速化手段の開発」については、まず、世界を対象として、気候変動緩和策と生物多様性保全策を統合的に評価するためのシナリオ・モデル分析の基礎的な枠組みを構築する。さらに、日本を対象として、脱炭素に循環経済または自然再興の観点を組み合わせたモデル枠組みを構築し、脱炭素社会への移行過程における他課題との両立および競合を捉えたシナリオ評価を行う。
「メソ・ミクロ的視点によるシステムチェンジの加速化手段の開発」については、社会を支える主要な財・サービス(素材・エネルギー・移動・ヘルスケア等)を対象として、供給構造と構造転換経路を明らかにするための基礎的なモデルおよび分析枠組みを構築する。また、人々の生活・消費における環境配慮行動に関する既存の理論・エビデンスのレビューを行い、行動変容を分析するための基礎的な概念モデル・分析枠組みを策定する。
これらを通じて、脱炭素、資源循環、自然再興の早期実現に向けたシステムチェンジの加速のための科学的基盤の構造化を図る。

外部との連携

京都大学、立命館大学、北海道大学、東京大学