受賞のお知らせ~
中嶋 信美 シニア研究員らが大気環境学会AJAE論文賞を受賞

概要

受賞者氏名: 中嶋 信美 (生物多様性領域), 玉置 雅紀 (生物多様性領域), 青野 光子 (生物多様性領域)
賞の名称:  AJAE論文賞
授賞機関:  大気環境学会
受賞年月日: 2026年9月17日
受賞対象:  Effect of low-dose radiation from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident on cherry blossom pollen formation., Asian Journal of Atmospheric Environment,19, 2025

賞状を手に持つ玉置雅紀領域長(左)、中嶋信美シニア研究員(右)

ひとこと

福島第一原子力発電所(FDNPP)事故に由来する放射性降下物からの低線量放射線が植物に及ぼす影響を調査するため、2014年から2021年にかけて、福島県浪江町津島地区の3地点(津島小学校、津島中学校、浪江高校)において、ソメイヨシノの開花直前の花序を採取し、未成熟花粉率(IPR)を調べました。空間線量率(SDR)がIPRに影響を及ぼしたかどうかを検証するため、SDRとIPRの経年変化をモデル化しました。その結果、FDNPP事故に由来する低線量放射線が、福島県の調査地点におけるソメイヨシノのIPRを上昇させたことが明らかになりました。IPRの上昇率は、SDRが最も高かった2014年には30~60%の範囲で最大となり、SDRが低下した2016年には20~40%へと減少し、その後は15~35%の範囲で推移しました。福島県の調査地点において長期間にわたりIPRの上昇が認められたことは、他の多年生植物種の花粉形成にも悪影響が及んでいる可能性、ひいては影響を受けた地域全体の生物多様性に対して長期的な累積的影響が生じている可能性を示唆しています。

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