環境研究共創拠点(ERHu)とは

環境研究共創拠点(NIES Environmental Research Hub: ERHu)は、環境データを基盤として、研究と社会の連携を推進する国立環境研究所のプラットフォームです。
環境問題が複雑化・高度化する中で、分野や組織の枠を越えた研究者の連携や、多様なデータを活用した研究の重要性が高まっています。ERHuは、こうした研究活動を支える「共創の場」として、研究者が協働して環境研究を進めるための基盤を整えるとともに、その成果や環境データを、行政、企業、市民など幅広いユーザーへとつなげていくことを目指しています。

設立の背景

近年、環境データは大規模化・多様化が進み、AI等を活用した研究や分野を越えた協働が進んでいます。一方で、大量のデータを扱うための計算環境や、それらを支える人材・仕組みが課題となっています。
2024年8月に策定された「環境研究・環境技術開発の推進戦略」(環境大臣決定)では、国立環境研究所が環境研究の中核機関として、「環境情報基盤整備を行い、環境研究のハブとしての役割を果たすこと」とされました。
こうした状況を踏まえ、国立環境研究所は2026年4月にERHuを設置し、段階的に機能を拡張しながら運用し、研究インフラから社会実装までを一貫して支える情報基盤としての役割を果たしていきます。

環境研究共創拠点の3つの要素 ー まもる・つなぐ・とどける ー

環境研究共創拠点は、「環境データをまもる」「データで研究をつなぐ」「社会へとどける」という3つの考え方を軸に取り組んでいます。

1.貴重な環境データを「まもる」

貴重な環境データを「まもる」 イメージ

多様化・大規模化する環境データを安全かつ効率的に管理するため、データ基盤の集約と高度化を進めます。
サーバやハードウェアの一元管理、人材や運用ノウハウの共有を通じて、信頼性の高い研究基盤を整え、研究活動を安定的に支えます。

2.環境データで研究コミュニティを「つなぐ」

環境データで研究コミュニティを「つなぐ」イメージ

所内外の研究者がデータを共有し、解析やシミュレーション、AIを活用した共同研究に取り組める研究用計算基盤(ERFa)を提供します。
分野や組織の枠を越えた連携を通じて、新たな発見や研究の発展を後押しします。

3.環境データを社会へ「とどける」

環境データを社会へ「とどける」イメージ

研究で得られた成果や環境データを、行政、企業、市民など幅広い利用者が活用しやすい形で提供します。
分野横断的な検索や可視化などを通じて、政策づくりや企業活動、日々の市民の理解や行動につながるデータ利活用を促進します。

ERHuという名称に込めた思い

本拠点の略称ERHuは、中国の楽器・二胡の英語表記(アルフー; Erhu)に由来しています。
二胡がアジアの多様な地域の文化の中で磨かれ、印象的で美しい音色を私たちに届けているように、本拠点もまた、多様な主体との共創を通じてデータを磨き、よりよい社会の実現に向けて、その成果を還元・発信していくことを目指します。