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中央ベトナムで発見したフクギ科の新種 Garcinia phuongmaiensis


論文情報
タイトル
Garcinia phuongmaiensis, a new species of Garcinia sect. Xanthochymus (Clusiaceae) from central Vietnam.
中央ベトナムで発見したフクギ科の新種 Garcinia phuongmaiensis
著者
Anh Tuan Dang-Le, 遠山 弘法, Xuan-Minh-Ai Nguyen, Thi-Thanh-Nha Phan, Ba-Vuong Truong, Van-Son Dang

*下線で示した著者は国立環境研究所所属
雑誌
Kew Bulletin   DOI: 10.1007/s12225-023-10077-0
受理・掲載
2023年1月5日受理、2023年 4月 10日オンライン掲載 オンライン公開への外部リンク
概要

 Garcinia(フクギ科フクギ属)は、世界の熱帯林を中心に広く分布し、約400種が知られています。果物の女王と言われているマンゴスチンもこの仲間です。2020年から2022年にかけて行ったベトナム中部ビンディン省での植生調査で、小低木で、5数性(花弁などを5枚持つ)の花を持ち、非常に短い葉柄を持つ新種を発見しました。タイ南部やマレーシア半島に分布している、G. prainiana Kingに形態的に類似しますが、全体に小型で花が白いという点で区別することができます。また、興味深いことに、雌花の中には稀に4数性を示し、花の基本数に種内変異があることが分かりました。Garcinia属の中には4数性と5数性が知られており、節を分ける鍵となる形質です。今後、系統解析を行いながら、進化の過程を明らかにしていきたいと思っています。

 本研究は、ベトナム国家大学ホーチミン市校と国立環境研究所の間で締結された学術交流協定に基づいて実施されました

図:Garcinia phuongmaiensisの様子

図:Garcinia phuongmaiensisの様子。5数性の雄花と4数性の雌花(右上)。