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ニワトリiPS細胞から神経方向に分化させた神経様細胞を含むオルガノイドは、RLRファミリー遺伝子を介してpoly:IC(ウイルスRNAの類似体)に応答性を示す
論文情報
- タイトル
- Organoids containing neural-like cells derived from chicken iPSCs respond to poly:IC through the RLR family
ニワトリiPS細胞から神経方向に分化させた神経様細胞を含むオルガノイドは、RLRファミリー遺伝子を介してpoly:IC(ウイルスRNAの類似体)に応答性を示す
- 著者
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Masafumi Katayama, Manabu Onuma, Noriko Kato, Nobuyoshi Nakajima, Tomokazu Fukuda
*下線で示した著者は国立環境研究所所属
- 雑誌
- PLOS ONE DOI: 10.1371/journal.pone.0285356
- 受理・掲載
- 2023年4月20日 受理, 2023年5月4日 オンライン掲載

概要
感染症に対する感受性は、大量死リスクを評価する際に必要な情報です。個体を用いて感染実験ができれば、感染症に対する感受性の評価が可能ですが、野生動物において、個体を用いた感染実験は事実上不可能であり、感染症の感受性評価のための研究基盤開発が求められています。
オルガノイドは高度な評価基盤として、近年注目を集めており、鳥類への応用できれば感染症評価に有用であると考えられています。他方、鳥類の感染症による死因の一つとして神経症状が知られています。そこで本論文では、ニワトリをモデルに鳥類の神経オルガノイドの作製方法の開発を目指しました。本論文では、神経様細胞を含むオルガノイドの作製に成功し、さらに、ウイルスRNAの類似体(poly:IC)の応答性を有することを確認しました。

オルガノイド形成の様子