熱帯・亜熱帯の汽水域(海水と淡水が混じる水域)にはマングローブ植物という植物がしばしば分布します.本研究では,マングローブ植物(メヒルギ)の実生の成長や光合成機能に対して水温(土壌温度)がどのような影響を及ぼすのかを調べました.
水温20℃で生育させた場合,水温30℃の時に比べて,個体の成長速度は低下することが分かりました.成長速度が低い個体は,葉における糖やデンプン濃度,光合成能力,およびルビスコタンパク濃度が低くなっていたことから,地下部の環境が葉の光合成機能に影響を及ぼし,結果的に個体の成長速度を変化させていることが分かりました.
写真 本研究対象種のメヒルギ.