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花里孝幸先生の追悼文集(文責:松崎慎一郎、高村典子)


論文情報
タイトル
追悼文集:花里孝幸先生のご逝去を悼む
雑誌
陸水学雑誌    2022年83巻2号 p.89-101
受理・掲載
2022年5月23日公開 フリーアクセス オンライン公開への外部リンク

2022年7月27日公開 Chang, K. H., Nagata, T., Ha, J. Y., Takahashi, H., Matsuzaki, S. S., Sakuma, M., Sakamoto, M. (2022) Takayuki Hanazato (1957-2021) in memoriam. Limnology, 23:403-413. オンライン公開への外部リンク
概要

国立環境研究所のOBである花里孝幸先生(信州大学教授)が、2021年11月に逝去されました。花里先生を偲んで、日本陸水学会の学会誌「陸水学雑誌」において、追悼文集が企画されました。

花里先生は、1980年から1995年まで国立環境研究所(1990年までは国立公害研究所)に勤め、霞ヶ浦を対象に、富栄養化や有害化学物質の影響に関する研究に取り組まれました。入所以来、動物プランクトンに魅了され、魚類や無脊椎捕食者が動物プランクトン群集に与える影響、農薬などの化学物質による生物間相互作用の攪乱に関する研究を行い、15年間で70編(うち58編が筆頭)という数多くの優れた学術論文を残されました。
その後、信州大学理学部付属諏訪臨湖実験所の教授に就任し、諏訪湖をフィールドに学生の指導に熱心に取り組まれました。53名の教え子(うち7名は博士号を取得)を輩出しました。学生の指導のみならず、数多くの学生向け、一般向けの図書の出版(下図)に尽力されました。また、地域との連携を大事にされ、ジョークやジェスチャーを交えた講演、実験所の一般公開、チャリティーウォークの参加など様々なアウトリーチ活動を通じて、諏訪湖の水環境保全・再生を牽引されました。

今回、花里先生の教え子を中心に追悼文集が企画されました。国立環境研究所生物多様性領域からは、花里先生の同僚であった高村典子、花里先生の教え子であった松崎慎一郎も寄稿しました。高村は、「花里孝幸さんを偲ぶ」と題して、様々なエピソードを織り交ぜながら、花里先生の人柄と活躍ぶりを紹介しています。松崎は、「追悼 花里孝幸先生―ミジンコ先生から教わったこと」と題して、学部4年生時に、花里先生から教わった湖沼研究の醍醐味と湖沼環境問題のとらえ方等について執筆しています。 追悼文集は、5月23日に下記のJ-stageから公開されました。フリーアクセスですので、どなたでも無料で閲覧可能です。たくさんの方に読んでいただけたら幸いです。


図:花村先生の書籍
花里先生が出版された一般向け図書の数々。花里先生は、漫画を描くことが大好きでした。
これらの図書では、花里先生のイラストをたくさん見ることができます。図書館や本屋さんでぜひ手にとって下さい。