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2009年と2010年の沖縄島北部地域(名護市および本部半島)における
アカハラダカ Accipiter soloensis の飛去数について


和文紀要(査読なし)
タイトル
2009年と2010年の沖縄島北部地域(名護市および本部半島)におけるアカハラダカ Accipiter soloensis の飛去数について
著者
嵩原建二, 細川太郎, 山本英康, 村田尚史, 具志堅ひな子, 熊谷直喜,
比嘉史子, 豊里祐二, 園田美穂子, 島袋南, 吉本貴子, 比嘉久, 島福善弘
掲載雑誌
名護博物館紀要あじまぁ, 19, 60-77.
概要

沖縄島北部の名護および本部半島において、渡りを行うアカハラダカのカウント調査を、2009年および201年の秋季の渡りの期間中に毎朝実施した。渡りは9月中旬から11月初旬まで続き、2009年は21,493個体、2010年は14,593個体の飛去を確認した。アカハラダカは、早朝7時から9時の間に休息場所の森から飛び立ち、多くは南側へ飛去した。統計学的解析から、風の強い晴れの日に渡りを行う個体が多く、一方で雨の日にはほとんど渡りを行わないことが明らかになった。このことから、アカハラダカは晴れた日に主に北風を利用して南へ渡っていると考えられた。

アカハラダカの雌 上昇気流に乗りつつ高度を稼ぐアカハラダカの群れ

撮影者:村田尚史(名護博物館)
写真(左) アカハラダカ(雌)。オオタカに近縁の小型の鷹であり、大陸から東南アジアへの
春夏の渡りの途中に、中継地点として九州や南西諸島を訪れ、大群が観察される。
写真(右) 上昇気流に乗りつつ高度を稼ぐアカハラダカの群れ。旋回しながら群れが上昇する様は“鷹柱”と称される。