メタンの「足あと」を追う切り札:大気14CH4分析法の開発と大気アーカイブ分析(令和 8年度)Developing atmospheric methane source idenfication method using radiocarbon
- 研究課題コード
- 2630CD002
- 開始/終了年度
- 2026~2030年
- キーワード(日本語)
- 大気メタン,放射性炭素,加速器質量分析
- キーワード(英語)
- Atmospheric methane,Radiocarbon,Accelerator Mass Spectrometry (AMS)
課題代表者
梅澤 拓
- 地球システム領域
物質循環研究室 - 主任研究員
- 博士(理学)
- 理学 ,地学,物理学
担当者
- 内田 昌男地球システム領域
研究概要
メタンの放出量を放出部門別に正確に把握することは、国際的な気候変動への取り組みに不可欠である。従来の安定炭素同位体(13C)を用いた放出源推定に比べ、放射性炭素(14C)は化石燃料起源メタンを明確に識別できる。しかし、従来の14C分析は1000 L以上の大量の試料空気を要し、その困難さから研究例が極めて限定的であった。本研究では、メタンを分離・濃縮する高精度・小試料量の14CH4分析システムを独自に開発し、過去30年にわたり採取・保管されてきた貴重な南極昭和基地での大気アーカイブ試料を分析して、14CH4の長期変動を高精度に復元し、グローバルな化石燃料起源メタンの長期的な放出量変動を評価する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
メタンは二酸化炭素に次ぐ強力な温室効果ガスであり、その発生源別の排出量を正確に把握することは、グローバル・メタン・プレッジなどの国際的な削減目標達成に不可欠である 。従来、炭素安定同位体比を用いた発生源推定が主流であったが、各発生源のδ¹³Cが重なるため、特に化石燃料起源と微生物起源の分離には本質的な不確実性が残っていた 。この問題を解決する切り札が放射性炭素(¹⁴C)であり、¹⁴Cを含まない化石燃料起源メタンを明確に識別できる 。しかし、大気中のメタン濃度が低いため、¹⁴C分析には従来500-1000 Lもの大量の試料空気を要し、その採取・分析の困難さから研究例は極めて限定的であった 。本研究では、大気試料からメタンを分離・濃縮する高精度¹⁴CH₄分析システムを我が国で独自に開発する。さらに、この技術を南極昭和基地などで過去20年以上にわたり保管されてきた貴重な大気アーカイブ試料に適用し、化石燃料起源メタンの長期的な排出量変動を世界で初めて復元すっることにより、我が国のメタン収支研究を飛躍的に前進させることを目指す。
今年度の研究概要
大気試料からメタンを分離・濃縮する高精度¹⁴CH₄分析システムの開発を行う。
外部との連携
東北大学、気象庁気象研究所、国立極地研究所