食品添加セレンの有用性・安全性と新規評価法に関する研究(令和 8年度)
Efficacy and Safety of Food-Added Selenium and Development of Novel Evaluation Methods

予算区分
消費者庁
研究課題コード
2627KZ001
開始/終了年度
2026~2027年
キーワード(日本語)
セレン
キーワード(英語)
selenium

課題代表者

岩井 美幸

  • 環境リスク・健康領域
    曝露動態研究室
  • 主任研究員
  • 博士(医学)
  • 薬学,医学,生化学

研究概要

微量元素のセレンは適正摂取域が狭く、欠乏および過剰のいずれも健康障害を引き起こす。セレンは無機型と有機型に大別され、いずれも生体内で生命利用可能なセレン形態 (Bioavailable Selenium; BA-Se) に代謝変換された後に、生命維持に必須の抗酸化タンパク質(グルタチオンペルオキシダーゼ等)の活性中心 (セレノシステイン残基) に利用される。一方、申請者らは食事由来セレンがセレノプロテインP(SeP)へ変換され長期貯蔵されること、さらにSeP過剰が糖尿病リスクを増加させることを報告してきた(Ichikawa et al., 2025;Misu et al., 2017)。これは、セレンを「欠乏リスクのみの栄養素」とみなす従来観の再考を促すものである。本研究ではこのバイオセンサー技術を確立し、「総量では説明できないセレンの有用性とリスク」を、セレン欠乏+形態別セレン源・食事添加モデルの細胞および動物を用いて、?生体利用性、?蓄積・代謝、?毒性寄与の観点から統合的に評価することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

本研究では、セレン欠乏食を背景として、無機セレンおよび有機セレンを添加した飼料をマウスに摂餌させ、骨格筋、肝臓等の臓器中BA-Seを、前年度に確立したバイオセンサーを用いて測定する。併せて、各臓器におけるグルタチオンペルオキシダーゼ発現回復との相関を解析し、バイオセンサー測定値の妥当性を検証するとともに、化学形態別のBA-Se生成効率を評価する。
さらに、申請者らが見出している糖尿病モデルマウスにおけるセレン代謝亢進とインスリン分泌抑制現象に着目し、同モデルにセレン欠乏食を導入した上で、健康リスク濃度域までセレン摂取量を段階的に増加させる。これにより、どの化学形態のセレンが、どの濃度において糖代謝悪化作用を示すかを明らかにし、BA-Seレベルとの関連を定量的に解析する。

今年度の研究概要

本年度は、ICPMSによる総セレンの分析、無機セレンおよび有機セレンなど各種化学形態別セレン分析法の構築を分担する。

外部との連携

東北大学

関連する研究課題