水稲の晩植化と気候変動が与える水田の生物多様性への影響の実態解明と将来予測(令和 8年度)
Assessing the impacts of delayed rice transplanting and climate change on paddy field biodiversity: current patterns and future projections

研究課題コード
2628CD010
開始/終了年度
2026~2028年
キーワード(日本語)
水田,生物多様性,気候変動
キーワード(英語)
Rice paddy field,Biodiversity,Climate change

課題代表者

中西 康介

  • 社会システム領域
  • 特別研究員
  • 博士(環境科学)
  • 生物学,農学,理学

研究概要

近年、農業従事者の減少や温暖化の進行に伴い、稲作における田植え時期が多様化し、晩植化が進行している。このような作期の変化は、水田に依存する水生生物を中心とした生物群集の構造に大きな影響を及ぼすと考えられるが、その実態は十分に解明されていない。そこで本研究では、トンボ類やカエル類など水田を主要な繁殖場所とする生物を指標とし、フィールド調査と全国規模の種分布モデル(SDM)解析を組み合わせて、晩植化および温暖化が水田の生物多様性に与える影響を評価する。さらに、気候変動シナリオに基づく将来予測を行い、水田生態系における生物多様性保全と農業生産の両立に資する科学的知見の提供を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

本研究では、フィールド調査と種分布モデル(SDM)を組み合わせることで、晩植化および気候変動が水田生態系の生物多様性に与える影響を評価・予測する。1年目には、田植え時期の異なる水田における生物調査を実施する。トンボ類やカエル類を中心とした水生動物群集の繁殖状況および群集構造を評価する。2年目には、フィールド調査データの解析を進めるとともに、水田依存性生物を対象としたSDMを構築する。3年目には、構築したSDMを用いて全国規模の将来予測を実施する。

今年度の研究概要

今年度は茨城県南地域の水田を対象として、田植え時期の異なる水田における生物多様性調査を実施する。標準的な田植え時期から2週間ごとに田植えを遅らせた複数の水田を調査対象とし、トンボ類およびカエル類を中心とした水生動物群集の調査を行う。トンボ類については羽化殻および羽化成虫を記録し、カエル類については幼生を定量的に採集することで繁殖成功率を評価する。また、水生昆虫類の群集組成についても調査し、晩植化が群集全体の構造に与える影響を明らかにする。

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