熱処理残渣および土壌の金属動態評価(令和 8年度)
Metal dynamics during the heat treatment process and metal behavior in soil

研究課題コード
2630AW115
開始/終了年度
2026~2030年
キーワード(日本語)
焼却灰,溶融スラグ,汚染土壌,重金属,貴金属
キーワード(英語)
Incineration ash,MSW-molten slag,Contaminated soil,Heavy metal,Precious metal

課題代表者

肴倉 宏史

  • 資源循環領域
    試験評価・適正管理研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 工学

担当者

研究概要

本研究課題では、資源循環分野における金属の動態という大きなカテゴリーの中で、熱処理残渣中の貴金属および有害重金属、ならびに汚染土壌中の有害金属に関する研究に取り組む。熱処理残渣については、一般廃棄物、下水汚泥、し尿汚泥等を対象とし、それらの熱処理における主要な最終生成物である焼却灰や溶融処理物への金属の濃縮分離挙動とその由来探索を行う。また、汚染土壌を対象として、土壌から地下水への有害金属等の移行リスクに対する合理的な試験評価法および基準値設定手法を開発する。さらに、人体に有害な鉱物としてのアスベストについて、AIを活用した電子顕微鏡画像の迅速判定方法を開発する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

廃棄物の減容化・減量化によって生じる熱処理残渣に対しても最終処分が困難な自治体が多い中で、熱処理によって貴金属や有害金属は特定の残渣へ分離濃縮される。そのため、熱処理残渣中の金属の資源価値を正当に評価し、回収技術の開発や回収後残渣の活用を図ることが重要である。そこで、本課題では、熱処理残渣である焼却灰や溶融処理物中の金属回収に向けた資源性評価、ならびに各金属の由来廃棄物を探索し、資源性向上と有害性低減のための効率的な事前分別や選別処理を検討する。
一方、人為的に環境中へ放出された有害金属等による土壌汚染では、汚染の覚知件数に対して地下水汚染件数が少ないにもかかわらず、コストや環境負荷の高い掘削除去が採用される傾向が高く、より合理的な対応が求められている。そこで、溶出試験による土壌汚染の判定方法を見直し、汚染土壌から地下水への移行リスクについての合理的な評価法と基準値を提案する。また、有害金属等の存在形態は自然由来か人為等由来かによって異なるため、土壌汚染対策法上の取扱いが異なる両者の判別手法を開発する。さらに、人体に有害な鉱物としてのアスベストについて、AIを活用した電子顕微鏡画像の迅速判定方法を開発する。

今年度の研究概要

廃棄物処理における金属動態調査では、不燃ごみおよび粗大ごみの破砕残渣中の有価有害金属組成を詳細調査し、熱処理残渣への由来となる品目の特定を試みるとともに、マット融解法を適用してキログラムオーダーの分析を行い物質収支を評価する。重金属の地下水への移行リスク評価では、汚染土壌を対象とし、計算において重要なパラメーターである分配係数を取得するためのバッチ試験方法を最適化する。また、溶融スラグの地下水中での長期挙動評価手法を提案する。アスベスト標準品や環境大気試料を電子顕微鏡により観察・撮影し、AI学習用の教師データを取得する。

外部との連携

環境省、つくば市、土壌環境センター、株式会社クボタ、株式会社奥村組、九州大学、明治大学、北海道大学、宮崎大学、富山県立大学、日本エヌ・ユー・エス株式会社、株式会社環境管理センター

関連する研究課題

  • : 資源循環分野に関するPJ以外の研究