食品接触材料から食品へ移行する有機フッ素化合物の調査 (令和 8年度)
Investigation of per- and polyfluoroalkyl substances migrating from food contact materials into food

研究課題コード
2527DA002
開始/終了年度
2026~2027年
キーワード(日本語)
有機フッ素化合物,移行試験,摂取量
キーワード(英語)
per- and polyfluoroalkyl substances,transfer test,ingestion amount

課題代表者

野呂 和嗣

  • 環境リスク・健康領域
    計測化学研究室
  • 主任研究員

研究概要

当課題は厚労科研により令和7年度において実施された研究内容を踏まえ、実施するものである。
背景
食品接触材料に添加され、毒性と残留性のある有機フッ素化合物(PFAS)がヒトへ曝露していることが報告され、その健康リスクへの関心が高まっている。実際、68種のPFAS(<4 mg/g)が、紙、プラスチック、被覆金属を含む様々な食品接触材料において同定された(Phelps et al., 2024, Environmental Science & Technology)。特に、再生包装紙にはPFAS(<1.2 mg/g)が非意図的に混入していることが問題視されている(Curtzwiler et al., 2020, Environmental Toxicology and Chemistry)。しかし、食品接触材料から食品への、PFASの移行に関する知見は不足している。
研究の目的
市販されている食品接触材料(包装紙、調理器具、食品保存容器等)を対象に、含有されているPFAS濃度、食品接触材料から食品への移行量を測定する。また、PFASを含む食品をラットに投与し、ラットへの曝露量と組織への蓄積量を測定することで、食品接触材料からヒトへ曝露しうるPFASを調査する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

令和7年度
食品接触材料であるプラスチックとシリコン、食品である水、茶、アルコール飲料、レトルト食品、生体試料である血液、糞便、尿および各組織を対象に、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)を用いた12種類のPFASの分析法を開発する。また、PFASの組織蓄積や分布を評価するため、エネルギー分散型X線分析装置を搭載した走査型電子顕微鏡を用いたフッ素分布を観察する系を構築する。
令和8年度
12種類のPFASを対象に、食品接触材料に含まれる濃度を分析する。素材、生産国、適用された食品などをファクターとし、濃度が高い材料をグルーピングする。特に、撥水性のある材料や再生材料への添加量が多いと予想されるため、これらの製品を重点的に分析する。また、PFASを含む食品をラットに投与し、血液、糞便、尿、肝臓、腎臓中のPFAS濃度を測定する。
令和9年度
PFASが検出された製品を対象に、水とエタノールを溶媒として用い、製品から溶媒へのPFASの移行試験を実施する。温度、抽出時間、プラスチックの劣化度などをファクターとして解析する。また、製品に保管されていた食品に含まれるPFASを分析する。移行量、食品の推定摂取量、NOAELなどから、PFASの初期リスク評価を実施する。さらに、移行速度を算出し、食品保管期間(半年間、1年間など)における食品へのPFAS移行量を推定する。PFASのラットへの蓄積量と物性との関係を評価する。

今年度の研究概要

12種類のPFASを対象に、食品接触材料に含まれる濃度を分析する。素材、生産国、適用された食品などをファクターとし、濃度が高い材料をグルーピングする。特に、撥水性のある材料や再生材料への添加量が多いと予想されるため、これらの製品を重点的に分析する。また、PFASを含む食品をラットに投与し、血液、糞便、尿、肝臓、腎臓中のPFAS濃度を測定する。

外部との連携

静岡県立大学食品栄養科学部の岩瀬麻里 助教が分担者として参画している。

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