気候変動影響に対する適応策を体系的に視覚化
—「地域の適応インフォグラフィック」を改訂—

 国立環境研究所 気候変動適応センターでは、気候変動影響への適応策を体系的に整理した「地域の適応インフォグラフィック(https://adaptation-platform.nies.go.jp/local/infographic/index.html )」について、20項目を改訂し、新たに「森林生態系」の項目を追加しました。
 地方公共団体や地域の関係者等が、気候変動適応策を検討したり、関係者と連携したりする際の基礎資料として引き続き活用されることが期待されます。

1. 背景

 国立環境研究所 気候変動適応センターでは、気候変動による影響への適応策(以下、適応策)の取組を支援するため、「影響の要因⇒現在の状況と将来予測⇒適応策」の関係性を示し、さらに適応策を体系的に整理した32項目のインフォグラフィックを2021年8月に公開しました。その後、新規項目の追加等も行ってきました。
 公開後、地方公共団体等の行政機関での利用、地域気候変動適応計画策定マニュアル 庁内コミュニケーションシートでの活用
https://adaptation-platform.nies.go.jp/local/plan/files/manual/06_communication_sheet.pdf)、第3次気候変動影響評価報告書 詳細(https://www.env.go.jp/earth/earth/tekiou/page_00003.html(外部サイトへ接続します))への引用等、幅広く活用されてきました。

2. 目的

 記録的な猛暑、極端降雨など、日々の生活で気候変動を感じることが増えています。並行して各省庁でも気候変動適応策が進展し、地域でも取組が進む、気候変動適応策の実装の段階に入っています。一方で、このような複数分野における同時並行的な進展について深く理解するには、多くの労力や時間を要します。
 そのため、施策立案者等の方が、複数分野における同時並行的な進展を体系的に理解するのを支援し、更なる適応策の具体的な検討や、関係者との連携等に資するために改訂を行いました。

3. 改訂内容・作成手法

 2021年8月に公開した32項目について、科学的知見の進展や各省庁の政策等を確認し、改訂が必要と考えた20項目について、文献や各省庁の審議会資料等を確認し原稿を改訂しました。加えて、各分野との関連が深い「森林生態系」の項目を新規作成しました。
 また、インフォグラフィックは7分野(注1)と広範囲を対象とするため、当該項目に深い知見を有する研究者の方々に技術指導を受けながら、原稿改訂・デザイン作成を進めました(協力者一覧:https://adaptation-platform.nies.go.jp/local/infographic/partners.html)。
 これらをHTML形式で公開するとともに、2022年以降に公開した項目も含む全49項目を掲載した冊子も改訂しました
(URL https://adaptation-platform.nies.go.jp/local/infographic/pdf/0_booklet.pdf )。このように複数分野を対象に、影響要因から将来予測、適応策を体系的にインフォグラフィックとして整理した公開資料としては、国内でも希少な取組です。

図1 「地域の適応インフォグラフィック」で対象とした49項目

図2 インフォグラフィックの事例「高潮・高波」

4. 想定される活用場面

  • 各地での適応策検討や、庁内の関係部局・地域の関係者等と連携する際の基礎資料
  • 講演資料やポスター・展示物等での利用等

5. 今後の展望

 気候変動適応策の実装に貢献するために、分野ごとに異なる時間軸や空間スケールをどう考えるか、関連する分野間の連携に資するために科学的知見をどう現場に落とし込むかなど、情報基盤と地域実装の両面から取組を進展していきたいと考えています。

6. 謝辞

 上記協力者一覧にご氏名を記載させていただいた専門家の皆様以外にも、ご協力くださった専門家の方々や、専門家をご紹介くださった先生方、デザイナーの方々、文献・審議会資料の収集・調査支援をしてくださった方々など、多くの皆様のご協力によりインフォグラフィックを作成することができました。また、このような改訂の機会が得られたのは、インフォグラフィックをご活用くださった皆様のお陰です。
 ご協力・ご利用くださった皆様に、改めて心よりお礼申し上げます。

7. 関連サイト

「地域の適応インフォグラフィック」
https://adaptation-platform.nies.go.jp/local/infographic/index.html
また、「インフォグラフィック(事業者編)」も公開しておりますので、併せてご活用ください。
 日本語(A-PLAT)https://adaptation-platform.nies.go.jp/private_sector/infographic/index.html
 英語(AP-PLAT) https://ap-plat.nies.go.jp/adaptation_business/infographic/index.html

8. 用語解説

(注1)7分野
 環境省(令和8年2月)「第3次気候変動影響評価報告書
 (https://www.env.go.jp/earth/earth/tekiou/page_00003.html(外部サイトに接続します))」で対象とされている7分野

9. 発表者

本報道発表の発表者は以下のとおりです。

国立環境研究所
気候変動適応センター
センター長
肱岡 靖明
気候変動適応戦略研究室
気候変動適応コーディネーター
浅野 絵美

10. 問合せ先

【インフォグラフィックに関する問合せ】
国立環境研究所 気候変動適応センター 気候変動適応戦略研究室 浅野 絵美
a-plat(末尾に“@nies.go.jp”をつけてください)

【報道に関する問合せ】
国立環境研究所 企画部広報対話室
kouhou0(末尾に“@nies.go.jp”をつけてください)