#気候変動適応
#生物多様性

「今年、ヒバリはいつ鳴いた?」—“季節のズレ”を追う全国の観察者たちとは?
気象庁による生物季節観測が縮小されたことを受け、国環研では2021年度から市民と連携した「生物季節モニタリング」を開始しました。
桜の開花やセミの初鳴きなど、身近な植物32種目・動物34種目を対象に、市民調査員が季節の変化を記録し、その観察結果は全国規模での集計・解析に活用されます。これまでに7,000件以上の報告があり、全国から多様なデータが集まっています。例えば、アブラゼミの初鳴きの時期に関する気象要因を明らかにするなど、得られたデータは研究にも活用されています。2025年度からは、これらの収集データの公開も始まりました。気候変動の影響を科学的に把握すると同時に、自然との関わりを大切にする日本文化の再確認にもつながるこの取り組みは、「生き物を意識する機会」を社会に広げています。

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2025/07/09