対話で環境を学び合うプログラム「環境カフェふくしま」を安積黎明高校と行いました~オリエンテーション、第1回から第6回~

令和3年度環境カフェ#1
令和3年度環境カフェ#1

    目次

  1. はじまり
  2. 環境カフェふくしまについて
  3. テーマと活動の記録

はじまり

はじまりは、2021年5月。
コロナ禍2年目となる春に、福島県立安積黎明高等学校化学部の生徒8名と顧問の益子先生、福島地域協働研究拠点(以下、福島拠点)の3人とで、オンラインで顔合わせを行いました。

まだ、会ったこともない者同士、お互い緊張し、こわばった表情で画面越しに挨拶をかわしました。

第1回Zoomの写真

第1回Zoom開催の様子

環境カフェふくしまについて

さて、「環境カフェふくしま」とは何でしょうか?

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故後、科学技術と社会の間に様々な課題が表出し、科学技術リテラシーの必要性が強く求められています。

しかし、これらの影響が色濃く残る福島県でも、それを学ぶ機会は非常に限られています。

一方で、福島拠点では、今後環境課題の影響を大きく受ける次世代を担う10代との関係をつくっていきたいと考えていました。

そこで、福島県内の高校に働きかけ、 環境課題をテーマに対話を通じて、問いを立てる力、質問力、探求力、観察力、理解力などの科学技術リテラシーを身につけることを目的としたプログラムを1年間、同じメンバーで実施することになりました。

これが「環境カフェふくしま」です。

2020年から続くコロナ禍中で始まったこのプログラムのほとんどは、オンライン会議システムZoomを使って行いました。

※国立環境研究所シニア研究員の多田満氏が発案した「環境カフェ」をベースにしています。

第2回の写真

第2回の様子

テーマと活動の記録

顔合わせをしたこのころ、「環境カフェふくしま」の年間テーマはまだ決めていませんでした。
決定していたのは、「環境課題をテーマに対話する」ことだけです。

そこで、参加する高校生たちが、「環境」という言葉から何を連想するのか、ビンゴゲームを行いました。
環境課題に関係する言葉がいくつも上げられ、これらをもとに年間テーマを決めました。

「持続可能なエネルギーのために自分たちができることは?」

第1回~第3回は、「脱炭素社会とはどんな世界?」、第4回~第6回は、「持続可能なエネルギー、持続可能な社会になるには?」の小テーマを置き、それぞれ1回目に講義、2回目にグループワーク、3回目にグループワークと発表の形式で、テーマについて対話を中心に考えを深めました。

令和3年度「環境カフェふくしま」開催記録一覧表

表1.令和3年度「環境カフェふくしま」開催記録一覧

模造紙と付箋の写真

5月にはじまったプログラムも季節がめぐり、あっという間に最後の活動報告会が近づいていました。

第5回の宿題は、それぞれが気になったテーマを自分で設定し、調べてくるというものでした。

テーマ選びから、その発表内容まで、バリエーションに富んだ、印象的なものでした。

第5回宿題でそれぞれが選んだテーマ表

第5回宿題でそれぞれが選んだテーマ

この内容も踏まえ、活動報告会に向けて、これまで調べ、話し合い、考えたことから、脱炭素社会の実現に向けて一つの事象に焦点を当てることにしました。

A班は「カーシェア」、B班は「世代間の意識」について発表する事が決まりました。

グループワークの様子

発表までは1ヶ月弱の時間がありますが、高校はちょうど年度替わりの激変期です。卒業式、入学試験などの行事や課外授業に加え、コロナ禍で部活動の時間確保も難しくなっていました。

そこで、オンライン上で発表をまとめ、福島拠点スタッフからコメントを出し、活動報告会の準備を進めることになりました。

いよいよ活動報告会本番が来週と迫った、2022年3月16日——
福島県沖で大きな地震が起こりました。
(つづく)

この記事を書いた人

浅野 希梨

福島地域協働研究拠点 地域協働推進室 研究コーディネーター

東京農工大学大学院農学府修士課程修了。東日本大震災をきっかけに、科学を学んだ経験を生かしたいと故郷の福島県にもどる。「研究が専門家だけのものでなく、わたしたちの手の届くようになるための「場」づくり」を目指し、領域を超え、異分野を橋渡しできる科学技術コミュニケーションを実践。現在は、高校生との対話プログラムなどを担当している。

プロフィール写真 浅野 希梨

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