第3期中期計画(2011-2015年度)の研究
PG3(災害環境マネジメント)
研究の概要
将来の災害に備えた環境マネジメントシステム構築に関する調査・研究を行いました。すなわち、東日本大震災等の検証研究を通じ、災害と環境、社会の間の相互関係を体系的に明確化することと、災害時の環境リスクを低減するための技術・手法や制度・体制の具体的方策を提示することを目指しました。
具体的には、以下の課題を実施しました。
- PJ1 災害時の資源循環・廃棄物マネジメント強靭化戦略の確立
- PJ2 環境・健康リスク管理戦略の確立
- PJ3 災害環境研究ネットワーク拠点の構築
研究の成果
PJ1の災害廃棄物処理関連の研究では、東日本大震災を総括的に評価し、将来の災害に備えての様々な基礎資料の提示や国等の指針、マニュアル等への反映などを行ってきました。また、PJ2の環境リスク管理戦略の研究においては、主に有害物質の影響を対象とした管理指標や目標設定、迅速かつ包括的な実態把握手法とその実施体制などについて提案できました。PJ3の人材育成や情報基盤、ネットワーク形成については、主に災害廃棄物処理関連の研究によって、国等の動きと連携した成果の発信により、自治体等の取り組みに活用していただいています。さらに、平成27年度はこれらの成果を活用し、関東東北豪雨水害への緊急対応を支援し、適正で迅速な災害時復旧に貢献しました。
PJ1 |
東日本大震災の実績及び実証試験等を通じて評価、総括し、災害廃棄物の量的質的発生予測手法、選別技術、適正処分技術、再資源化技術、石綿等有害物質管理技術、分散型生活排水処理技術等の防災の観点からの知見の一般化、技術の高度化災害廃棄物処理業務の機能体系化と効果的な処理計画策定で考慮すべき基本要素を提示、脆弱性評価指標及び自治体等の体制整備の進捗管理の枠組みを提示災害廃棄物対策指針の技術資料や将来の巨大災害に向けた国や地域ブロック、都像府県等自治体の行動指針等に反映 |
PJ2 |
緊急時の段階的判断値、指針値群の網羅的提案により緊急時リスク管理体系を提示VOC一斉分析DB作成、大気・水質の迅速捕集法と高精度検索同定手法の確立、津波影響による生態系・生物群集遷移の長期変動と底質環境のPAH汚染回復の評価地方自治体等と連携し実行可能な緊急時環境調査の目指すべき方向性を提言 |
PJ3 |
災害時の廃棄物処理を担う自治体の人材に必要な能力の明確化とワークショップによる参画型研修を含む人材育成手法・プログラムの設計提案と試行・評価・改善将来の災害に自治体が備えるための情報基盤としての「災害廃棄物処理情報サイト」の開設、環境省の巨大災害検討とも連携した関係主体間及び人的ネットワーク形成関東東北豪雨災害緊急対応、自治体等における計画策定や人材育成研修に活用 |
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- H27災害環境研究成果報告書